沖縄/暴力論
定価:本体2,400円+税
ISBN:978-4-624-11200-4
ISBN[10桁]:4-624-11200-8
発行日:2008年8月15日
判型:四六判並製
ページ:268
Cコード:C0021
西谷修 仲里効 編
琉球処分、「集団自決」、「日本復帰」、そして観光事業、経済開発。岩波・大江裁判であかるみになった、「集団自決」という事実を否定する「暴力」。極端に言ってしまえば、いまでも「戦争」は続いている。この情況下、沖縄と本土との境界線で軋む「暴力」を読み解く必要がある。本書はこれを総題につねに緊張を孕む白熱した議論となり、とくに沖縄出身の目取真俊氏と仲里効氏の生々しい発言は本土の人間を戦慄させる。◎執筆者紹介◎西谷修、仲里効、土佐弘之、中村隆之、中山智香子、真島一郎、間宮則夫、目取真俊、米谷匡史(敬称略)
はじめに 西谷修
第一部 シンポジウム
一 「集団死」の特異性
間宮則夫+仲里効+米谷匡史+西谷修 司会:中山智香子
はじめに
沖縄戦と「集団自決」の記憶
「反復帰」論・沖縄自立論の登場
『それは島』の方法
沖縄との出会い
生と死の分断線
加害/被害の重層関係
「愛ゆえに」を超える
大江・岩波裁判の争点
批判としての映画
「島」とは何か
一般性と特異性
二 暴力とその表出
目取真俊+仲里効+西谷修+真島一郎 司会:中山智香子
沖縄と日本との縫合線
沖縄と暴力
「エネミー」の哲学
歴史をめぐる闘い
暴力を読み解く/神話・耳・場所
主体化のパラドクス
日常の見えない暴力
「暴力論」のジレンマ
九・二九、暴力論を超えて
『それは島』再訪
間宮則夫監督へのインタビュー
島人の証言でつづる渡嘉敷戦
島の老人たち(間宮則夫)
〔年表〕沖縄の記憶/記憶の戦争(米谷匡史編)
上映映画覚書
第二部 論考集
ブルー・ヴァリアント──『聖なる夜 聖なる穴』の迷宮から 仲里効
揺らぐ梅澤証言──『正論』二〇〇八年四月号 藤岡論文を読む 目取真俊
否認の政治と窪地からの声 土佐弘之
沖縄と開発の暴力 中山智香子
寡黙、吃音、狂気──〈反復帰〉論の言語と文体をめぐる覚書 中村隆之
軋みと閃光 米谷匡史
沖縄・揺れる活断層 西谷修
ひと房の〈共出現〉──あとがきにかえて 仲里効