普天間
坂手洋二 著
二〇〇四年八月十三日沖縄国際大学に一機のヘリコプターが墜落した――
普天間基地から訓練で飛び立ったそのヘリは、沖縄国際大学1号館北側に接触、墜落、炎上した。基地に脅かされる日々、沖縄米兵少女暴行事件、戦争の傷跡を刻むガマ……蹂躙され続ける沖縄で決して葬り去られない記憶を抱えて生きる人びとの複雑に交錯する思いを坂手洋二が描く。
坂手洋二(さかて・ようじ)1962年岡山県生まれ。劇団燐光群主催。作品に『ブレスレス』(岸田國士戯曲賞)『天皇と接吻』(読売演劇大賞)『屋根裏』(読売文学賞)『だるまさんがころんだ』(鶴屋南北戯曲賞、朝日舞台芸術賞)など多数。