詩的原理の再構築
萩原朔太郎と吉本隆明を超えて
野沢啓 著
萩原朔太郎『詩の原理』と吉本隆明『言語にとって美とはなにか』という近代詩以降の二大理論書を徹底的に読み解き、その理論的問題点を剔出し、言語隠喩論的立場から根底的な批判をおこなう。吉本表出論の虚妄性を暴露し、その意識言語論的な意識の優位性でなく、詩的言語における言語の隠喩的創造性、世界開示性にもとづく先行性を主張し、「言葉があつて、詩人が生れてくる」という朔太郎の詩の原理を確認する。『言語隠喩論』『ことばという戦慄――言語隠喩論の詩的フィールドワーク』につづく言語隠喩論三部作の完結篇。
政治と美学
ベンヤミンの唯物論的批評
内村博信 著
カール・クラウスの論争術、ブレヒトの叙事演劇をつうじて、第一次世界大戦後の大衆社会を問い、ボードレールの抒情詩をつうじて近代大衆社会が誕生する根源史を探求するベンヤミン。激動の時代状況下、批評家として活動を開始し、亡命先のパリで反ファシズム運動とかかわり、研究・批評活動をつづけるベンヤミンの思想に迫る。続刊予定の『追憶の政治哲学――ベンヤミンの歴史的唯物論』とともに著者のベンヤミン論を集成する。
宮澤賢治
二度生まれの子
倉橋健一 著
1992年に刊行された幻の名著『抒情の深層――宮澤賢治と中原中也』(矢立出版)のうち宮澤賢治の部分を独立させ、あらたに関連文献を追加し、著者の長い「あとがきに代えて」とたかとう匡子氏による解説をくわえて復刊する。みずからの存在と書くことの意識をめぐって切迫する賢治の「修羅」とはいかなるものであったのか、妹トシの死をめぐる葛藤やさまざまな童話の分析など、コンパクトながら数多い賢治論のなかでも白眉の一冊。
沖縄戦後世代の精神史
仲里効 著
「復帰」という名の併合から50年。そこから始まり、そこに還る”時のなかの時”と格闘した群像の声と傷を探訪する。50年かけて50年前と出会う、その思索の旅の記録はまた来たるべき言葉のための遍歴でもあった。沖縄戦後世代の鏡と窓、交差と越境、精神史にして思想の地図へと誘う。『季刊 未来』に10回にわたって連載された「残余の夢、夢の回流」をベースに再構成された最新の沖縄思想地図。
『詩的原理の再構築――萩原朔太郎と吉本隆明を超えて』が刊行されました。
(2024年04月04日掲載)
言語隠喩論三部作セットの期間限定割引販売
(2024年03月03日掲載)
「西谷社長日録」が3月1日から復活しました。
(2024年03月02日掲載)
小社の本がこのページから直接ご購入ができます。
(2024年01月31日掲載)
オンデマンド書籍の取扱いの変更について
(2024年01月31日掲載)