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沖縄、脱植民地への胎動
知念ウシ 與儀秀武 桃原一彦 赤嶺ゆかり 著
PR誌「未来」の連載「沖縄からの報告」2012年3月号~2014年3月号を単行本化。
普天間基地の移設問題、オスプレイ配備問題、竹富町の教科書問題など、政治・軍事から教育・言語にまでわたって沖縄の大地と文化を収奪する日本の「植民地主義」を批判し、「脱植民地」の思索と実践を報告する時事論集。「未来」2013年12月号~2014年6月号で掲載された、知念ウシ氏と石田雄氏との暴力・植民地をめぐる往復書簡も収録する。
第一部
知念ウシ
「どうして沖縄の正月は学校が休みにならないの」/なぜ岩国×で沖縄は〇なのか/普天間基 地の中に入ってみた/オスプレイ腰
與儀秀武
海岸線の思考/エリアの構想力/沖縄文化の潜勢力/独立論の行方
桃原一彦
「井戸」の底でつながるスタンディング・アーミー/身体を主語においたユートピアへ向けて/脱 植民地化と「対決性」/「善意」で舗装された道はどこへ向かう?
第二部
知念ウシ
沖縄人の命のためのフェンス行動/ギブアップ フテンマ!/フェンスぬ島小(しまーぐゎー)や さやさやさやさ
赤嶺ゆかり
立ち位置とジニオロジー/Yuree ワッターを主体化する空間/テーミヌユーを目指して/ワッタ ーELT:沖縄英語教育再考
桃原一彦
世代間の断層と再政治化/それぞれの「構築される信念」/二〇二〇年の〈喪〉とポワカッツィの ゆくえ/「バナナ・ボート」狂想曲
第三部
石田雄
知念ウシさんへの手紙――『シランフーナー(知らんふり)の暴力』を読んで
知念ウシ
石田雄さんへの手紙――『シランフーナー(知らんふり)の暴力』をめぐって
石田雄
知念さんの御批判への応答
知念ウシ
石田雄さんへのお返事
石田雄
「灰色の領域」はどこのこと?――知念さんへの御返事
知念ウシ
石田さんへの手紙
知念ウシ(ちにん・うしぃ)
1966年、沖縄島那覇市首里生まれ。津田塾大学、東京大学卒業。むぬかちゃー&むぬかんげーやー、沖縄国際大学非常勤講師。著書に『植民者へ――ポストコロニアリズムという挑発』(共著、松籟社、2007年)、『ウシがゆく――植民地主義を探検し、私をさがす旅』(沖縄タイムス社、2010年)、『闘争する境界――復帰後世代の沖縄からの報告』(共著、未來社、2012年)、『シランフーナー(知らんふり)の暴力――知念ウシ政治発言集』(未來社、2013年)、Under Occupation: Resistence and Struggle in a militarised Asia-Pacific (Daniel Broudy eds., Cambridge Scholars Publishing, 2013) 。翻訳に『りゅう子の白い旗――沖縄いくさものがたり』(新川明文・儀間比呂志版画、出版舎Mugen、2011年)、『トラウマと身体』(共訳、星和書店、2012年)など。
與儀秀武(よぎ・ひでたけ)
1973年、宮古島市伊良部生まれ。琉球大学大学院人文社会科学研究科修了。沖縄文化論。著書に『闘争する境界――復帰後世代の沖縄からの報告』(共著、未來社、2012年)。主要論文に「沖縄と日本国憲法」(「情況」2008年5月号)など。
桃原一彦(とうばる・かずひこ)
1968年、南風原村(現南風原町)生まれ。東洋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、沖縄国際大学総合文化学部准教授。社会学。著書に『都市的世界/コミュニティ/エスニシティ』(共著、明石書店、2003年)、『植民者へ――ポストコロニアリズムという挑発』(共著、松籟社、2007年)、『「文化」と「権力」の社会学』(共著、広島修道大学学術交流センター、2008年)、『闘争する境界――復帰後世代の沖縄からの報告』(共著、未來社、2012年)など。
赤嶺ゆかり(あかみね・ゆかり)
1967年生まれ。ハワイ大学大学院社会学部修了。現在、沖縄キリスト学院大学・沖縄国際大学非常勤講師、オキスタ107カリキュラム研究主任。英語教育および教育の脱植民地化の方法論研究。主要論文に「ワッター沖縄学:Okinawan Studies 107」(『「時の眼―沖縄」批評誌N27』創刊号、2013年)など。