人間という仕事
フッサール、ブロック、オーウェルの抵抗のモラル
ホルヘ・センプルン 著
小林康夫 大池惣太郎 訳
シリーズ : ポイエーシス叢書
〔ポイエーシス叢書64〕
人間は危機にあたっていかに生きるべきか、いかに闘うべきかを情熱と確信をこめて語った歴史的な連続講演集。20世紀の哲学(エトムント・フッサール)、歴史学(マルク・ブロック)、文学(ジョージ・オーウェル)それぞれのジャンルでの代表的知性がヨーロッパのナチズム、ファシズムが吹き荒れる1930年代から戦争期にかけて人間としてさまざまな抵抗をいかに展開し、戦い抜いたかを考察する。現在の危機的な状況のなかでいまこそ読まれるべき、人間とは何かを問う書。訳者の力作解説付き。
エトムント・フッサール 1935年5月、ウィーン
マルク・ブロック 1940年、フランスのどこか
ジョージ・オーウェル 1940-1941年、ロンドン
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あとがき解説――センプルンと「民主的理性」(大池惣太郎)
跋文 危機と対峙する「知」――センプルンに学ぶ(小林康夫)
《著者略歴》
ホルヘ・センプルン(1923-2011)
スペイン人の作家・政治活動家。スペイン内戦とともにパリに亡命、以後フランスで活動。フランス義勇遊撃隊のレジスタンス活動に参加し、ゲシュタポに捕えられ、ドイツのブーヘンヴァルト強制収容所に送られる経験ももつ。
《訳者略歴》
小林康夫(こばやし・やすお)
1950年生まれ。東京大学名誉教授、青山学院大学教授。表象文化論。著書に『存在のカタストロフィー』(未來社)ほか。
大池惣太郎(おおいけ・そうたろう)
東京大学大学院博士課程満期退学。パリ第七大学博士課程(言語・文学・イメージ論)在籍。