金子光晴デュオの旅
鈴村和成 野村喜和夫 著
現代のふたりの詩人にして研究者である鈴村和成さんと野村喜和夫さんが、昭和の大詩人、晩年はエロスの大家としても知られた放浪の詩人、金子光晴の足跡を追った紀行文。マレー、ジャワから中国南部を、さらに遠くパリ、フランドルの地をたずね歩き、光晴の詩や紀行文に書き残された地名や風景を実地に見聞しつつ、金子文学の内実を克明に追跡する。詩人ふたりの交換ノートのかたちで記されたリアルタイムの旅行記であり、迫真のルポタージュにもなっているうえ、金子光晴についての著書をもつふたりならではの意見交換が重ねられた、楽しい珍道中の記録。鈴村さん撮影の写真も多数収録。
緒言
《対談》死を生きる詩人と「鮫」のゆくえ
1 マレー、水の流れる
2 ジャワ連弾
3 乍蒲路(ザッポーリ)にて、そして杭州へ
4 大揚子江へ
5 パリ/アンチ・パリ
6 フランドル遊歩
略年譜(付・本書関連書誌)
鈴村和成(すずむら かずなり)
1944年生まれ。横浜市立大学名誉教授。文芸評論家、フランス文学者、詩人。本書の関連書に『金子光晴、ランボーと会う』(弘文堂)。評論に『ランボー、砂漠を行く』(岩波書店)、紀行作品に『ランボーのスティーマー・ポイント』(集英社)、紀行小説に『ランボーとアフリカの8枚の写真』(河出書房新社・藤村記念歴程賞受賞)、詩集に『黒い破線、廃市の愛』(書肆山田)、翻訳に『ランボー全集個人新訳』(みすず書房)など多数。
野村喜和夫(のむら きわお)
1951年生まれ。詩人。本書の関連書に『金子光晴を読もう』(未來社)、『芭(塔(把(波』(左右社)。詩集に『風の配分』(水声社・高見順賞受賞)、『ニューインスピレーション』(書肆山田・現代詩花椿賞受賞)、『21世紀ポエジー計画』(思潮社)、編著に『戦後名詩選(Ⅰ)・(Ⅱ)』(思潮社)、翻訳にユイマンス『神の植物・神の動物』(八坂書房)など多数。