大地の哲学
アイヌ民族の精神文化に学ぶ
小坂洋右 著
ジャンル : 社会 >> 文化論・カルチュラルスタディーズ
ジャンル : ドキュメント >> 差別問題・民族問題
「原発事故」を経験したこの社会の、今後のあり方を模索するための道しるべ
「自然を汚して私たちは生きていけない」。祖先の叡智に学んできたアイヌ女性はそう語った。苛酷な抑圧と差別、同化政策によって発信力を奪われてきたアイヌ民族。だが、その精神文化、世界観には、現代を生きる日本人が失い、道を誤る原因のひとつとなった「自然への畏れ」が息づいている。
序 章 福島第一原発事故の衝撃
第一章 畏れを失った果てに
第二章 狩猟民に動物への優越感はない
第三章 命のつながりを意識する
第四章 持続社会の根底にあるものは
第五章 認めてもらえるように生きよ
第六章 消滅した集団「北千島アイヌ」
第七章 自然の征服者とは共存できない
終 章 風と光の恵み――未来へのヴィジョン
小坂洋右(こさかようすけ)
1961年札幌市生まれ。旭川市で小中時代を過ごす。北海道大学文学部卒。英オックスフォード大学ロイター・ファウンデーション・プログラム修了。アイヌ民族博物館学芸員などを経て北海道新聞記者に。現在、編集委員。著書に『破壊者のトラウマ――原爆科学者とパイロットの数奇な運命』(未來社)、『流亡――日露に追われた北千島アイヌ』(北海道新聞社)、『アイヌを生きる文化を継ぐ――母キナフチと娘京子の物語』(大村書店)、『〈ルポ〉原発はやめられる――日本とドイツ その倫理と再生可能エネルギーへの道』(寿郎社)、『日本人狩り――米ソ情報戦がスパイにした男たち』(新潮社)、『星野道夫 永遠のまなざし』(山と渓谷社)、『人がヒトをデザインする――遺伝子改良は許されるか』(ナカニシヤ出版)などがある。北海道庁公費乱用取材班として新聞協会賞、日本ジャーナリスト会議(JCJ)奨励賞を受賞。『原発はやめられる』で第27回地方出版文化功労賞奨励賞(ブックインとっとり主催)を受賞。
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