ドイツ的大学論
フリードリヒ・シュライアマハー 著
深井智朗 訳
シリーズ : 転換期を読む
〔転換期を読む25〕
1810年、ベルリン大学創設――
創設200年を経て再発見された大学論の古典
1806年のナポレオン1世との敗戦で意気消沈していたプロイセンが、自国の精神復興政策として推進したベルリン大学の開設。ナショナリズムの熱気が沸くなかで、言語学者フンボルトや哲学者フィヒテなど多くの知識人が大学の理念を語った。なかでも、1808年に公刊された本書はとりわけ大きな影響力をもち、大学の近代化論の先駆けとなったにもかかわらず、その意義は長く看過されてきた。近年の研究で注目を集める古典を、最新の研究成果に基づいて翻訳する。
1 学問的な団体と国家との関係について
2 学校、大学、アカデミーについて
3 大学一般についてのより詳細な考察
4 諸学部について
5 大学の倫理と監督について
6 学位を授与することについて
付録 〔ベルリンに〕新たに設置される大学について
訳者解題 ベルリン大学創設とシュライアマハーの『大学論』(1808年)
【著者略歴】
フリードリヒ・シュライアマハー(Friedrich Daniel Ernst Schleiermacher, 1768-1834)
ドイツの神学者、哲学者。敬虔主義と啓蒙主義の双方の影響下で自身の神学を確立する。牧師を数年間勤めたあと、1804年にハレ大学神学部に就任。06年、ナポレオンによりハレ大学が閉鎖されると、翌年ベルリンに召還され、ベルリン大学開設計画に携わる。09年からフンボルトと協同する。創設後、神学部教授に就任。邦訳に『独白』(木場深定訳、岩波文庫、1995年)、『神学通論(1811年/1830年)』(加藤常昭・深井智朗訳、教文館、2009年)、『宗教について――宗教を軽蔑する教養人のための講話』(深井智朗訳、春秋社、2013年)ほか。
【訳者略歴】
深井智朗(ふかい・ともあき)
1964年生まれ。アウクスブルク大学哲学・社会学部博士課程修了。Dr. Phil.(アウクスブルク大学)、博士(文学、京都大学)。現在、金城学院大学人間科学部教授。専門はドイツ宗教思想史。著書に『ヴァイマールの聖なる政治的精神』(岩波書店、2012年)ほか。翻訳にエルンスト・トレルチ『キリスト教の絶対性と宗教の歴史』(春秋社、2015年)、F・W・グラーフ+A・クリストファーセン編『精神の自己主張――ティリヒ = クローナー往復書簡1942-1964』(共訳、未來社、2014年)ほか。
精神の自己主張
ティリヒ=クローナー往復書簡1942-1964
フリードリヒ・ヴィルヘルム・グラーフ アルフ・クリストファーセン 編 / 茂牧人 深井智朗 宮崎直美 訳
定価: 本体2,200円+税 ISBN: 978-4-624-93444-6 発行日: 2014年11月14日