スタニスラフスキーとヨーガ
セルゲイ・チェルカッスキー 著
堀江新二 訳
いま、あきらかになる《システム》の原理
ソ連時代はタブーとされ、公表されなかったスタニスラフスキーとインド哲学・心身操法ヨーガとの関連を明らかにし、演技理論《スタニスラフスキー・システム》の「心身一体のバランスのとれた演技論」を再認識する、演劇人必読の書。
日本の読者へ
著者より(ロシア語版序文)
はじめに
第1章 スタニスラフスキーの演劇活動に見られるヨーガ
1 ヨーガとの出会い
2 ヨーガとモスクワ芸術座・第一研究所
3 一九一〇―二〇年ごろのスタニスラフスキーの授業におけるヨーガ
(モスクワ芸術座とその第二研究所の俳優たちと)
4 オペラ研究所におけるヨーガ
5 ヨーガと晩年のスタニスラフスキー
第2章 スタニスラフスキーの著作物に見られるヨーガ
1 二〇世紀のヨーガとその古い起源
2 ラマチャラカとスタニスラフスキーのテキスト比較の試み
第3章 スタニスラフスキー・システムにおけるヨーガの要素
1 筋肉の解放
2 交流とプラーナの放射
3 注意力
4 心の視覚のヴィジョン(映像)
5 超意識
6 我あり
あとがき
訳者あとがき
《著者紹介》
セルゲイ・チェルカッスキー(Sergei Tcherkasski)
芸術学博士、演出家、ロシア連邦功労芸術家。サンクト・ペテルブルグ国立演劇大学(現アカデミー、1779 年創立)教授。同大学俳優学科主任。
モスクワ、ペテルブルグ、クラスノヤール・国立劇場などで演出家として働き、シェイクスピア、ブルガーコフ、ワイルダー、バーナード・ショー、アヌイ、グリボエードフ、オストロフスキーなど約30 本の芝居を上演。そのうち、『危険な関係』(デ・ロクロ)、『女帝エカテリーナ』(B.ショー)は、それぞれ12 年、16 年上演され続けている。海外でも、エストニア、ルーマニア、イギリス、オーストラリア、アメリカで演出をしている。
氏の教え子たちは、モスクワ芸術座、マールイ劇場、タガンカ劇場、ワフタンゴフ劇場、アレクサンロフスキー劇場など、モスクワ、ペテルブルグの主要な劇場で活躍し、ドージン、リュビーモフ、フォーキン、ペルシバリなどの芝居に出演し、モスクワやペテルブルグの最大の演劇賞(黄金のマスク賞)などにノミネートされている。
また、世界の40 以上の演劇学校などでスタニスラフスキー・システムに基づくワークショップを開催、日本でも4 回行ない、2015 年に5 回目が行なわれる。20 世紀のロシアの演出者教育に関する論文で修士号を、論文「スタニスラフスキー・システムの進化 ― ボレスラフスキー、リー・ストラスバーグの演出・俳優教育活動」で芸術学博士号を取得(2012 年)。このほかに、『スムイシュラエフ 俳優、演出家、教師――わが師の師』(2004 年)、『スタニスラフスキーとヨーガ』(2013 年)、『スリーモフの演劇流派』(2013 年)などの著書がある。
《訳者紹介》
堀江新二(ほりえしんじ)
1948 年生。早稲田大学大学院文学研究科修士課程卒。大阪大学名誉教授。
シアター・コミュニケーション・ラボ大阪所長。
著書に『したたかなロシア演劇 ― タガンカ劇場と現代ロシア演劇』(世界思想社、1999 年)、『演劇のダイナミズム ― ロシア史の中のチェーホフ(旅・ダイナミズム・越境)』(東洋書店、2004 年)ほか。
訳書にチェーホフ『さくらんぼ畑』(群像社、2011 年)、スタニスラフスキー『俳優の仕事』全三部(共訳、未來社、2008-2009 年)ほか。
俳優の仕事 第三部
俳優の役に対する仕事
コンスタンチン・スタニスラフスキー 著 / 堀江新二 岩田貴 安達紀子 訳
定価: 本体4,800円+税 ISBN: 978-4-624-70093-5 発行日: 2009年7月15日
俳優の仕事 第二部
俳優教育システム
コンスタンチン・スタニスラフスキー 著 / 堀江新二 岩田貴 安達紀子 訳
定価: 本体5,800円+税 ISBN: 978-4-624-70091-1 発行日: 2008年10月30日
俳優の仕事 第一部
俳優教育システム
コンスタンチン・スタニスラフスキー 著 / 岩田貴 堀江新二 浦雅春 安達紀子 訳
定価: 本体5,800円+税 ISBN: 978-4-624-70090-4 発行日: 2008年6月30日