とんぼの目玉
言の葉紀行
定価:本体1,700円+税
ISBN:978-4-624-60109-6
ISBN[10桁]:4-624-60109-2
発行日:2008年10月30日
判型:四六判並製
ページ:218
Cコード:C0095
長谷川摂子 著
あるときは故郷・出雲にはぐくまれた「母語」をみつめ、またあるときは言葉のイカダを組んで大海へとこぎ出す。戒名に心を奪われつつ、「さよなら」に別れを告げる一方で、共同翻訳の顛末を振り返る。若者と向き合い、その刺激をたっぷりと浴びながら、柳田国男や木下順二、宮沢賢治の遺した「言葉」に思いを馳せる毎日。
流れるイカダ
ボクの将来
私の領分は出雲弁 …私の母語1
旅伏山が暗んだ …私の母語2
オカッツァンの話 …私の母語3
あの世の名前
「さよなら」をめぐる小トリップ
『美術の物語』の翻訳チーム誕生まで …翻訳大旅行1
文体作りのすったもんだ …翻訳大旅行2
フォルムとマチエールの解体 …翻訳大旅行3
食うことの本たち
柳田国男と「新語」 …「正しい日本語」というユーレイ1
クソババア一家の愛 …「正しい日本語」というユーレイ2
木下順二は人民の敵か …「正しい日本語」というユーレイ3
「あんもち」か「あんもつ」か …「正しい日本語」というユーレイ4
「ウソ」「マジ」考
人語を話す猫のこと
言葉のムチ
気象通報の時間
描かれた言葉の喚起力──文学者としての柳田国男
長谷川摂子(はせがわせつこ)
島根県生まれ。絵本・童話作家。東京外国語大学卒業、東京大学大学院哲学科中退。保育士として働いたのち、夫の長谷川宏氏とともに学習塾を営む。2004年『人形の旅立ち』(福音館書店)で第19回坪田譲治文学賞、第14回椋鳩十文学賞、第34回赤い鳥文学賞を受賞。絵本に『めっきらもっきらどおんどん』『きょだいなきょだいな』『みず』『おっきょちゃんとかっぱ』など多数。評論に『子どもたちと絵本』(福音館書店)、翻訳に『美術の物語』(共訳・ファイドン)。昔話に「てのひらむかしばなし」シリーズ(全10巻・岩波書店)。