マックス・ヴェーバーの新世紀
変容する日本社会と認識の転回
定価:本体3,800円+税
ISBN:978-4-624-40050-7
ISBN[10桁]:4-624-40050-X
発行日:2000年1月21日
判型:A5
ページ:384
Cコード:C0036
橋本努 橋本直人 矢野善郎 編
ヴェーバーは日本の社会科学にとっていかなる存在であったか、また、今後われわれはヴェーバーとどのように対峙していくべきか──昨年11月に開かれたシンポジウム「マックス・ヴェーバーと近代日本」は、世代・分野を超えた研究者の熱心な議論の場となった。同シンポジウムを出発点として、日本のヴェーバー研究の到達点を示し、 21世紀に向けて継承すべき課題を明らかにする。
はじめに(橋本努・橋本直人・矢野善郎)
Ⅰ 近代の行方――「グローバル化社会」を問題化する
ヴェーバリアン的問題としてのグローバル化(ヴォルフガング・シュヴェントカー著、中西武史訳)
マックス・ヴェーバーとタルコット・パーソンズ──「資本主義の精神」のとらえ方をめぐって(富永 健一)
エスニシティ・ネイションの「政治・国家社会学」としての『経済と社会』(佐久間孝正)
ヴェーバー・テーゼと歴史研究(大西晴樹)
『儒教と道教』再読(長尾龍一)
Ⅱ 人間像の変貌――ヴェーバーと「善き生」の理念
文化の普遍史と現代──文化的生の「ドイツ的形式」とマックス・ウェーバー(嘉目克彦)
何故に日本のヴェーバー研究はニーチェ的モーメントを欠落させてきたか(山之内靖)
社会科学と主体──ウェーバー研究の根本問題(橋本努)
ヴェーバー『古代ユダヤ教』と私の研究史(内田芳明)
一九六四年前後――日本におけるウェーバー研究の一転機(石田雄)
Ⅲ 歴史からの眼差し――ヴェーバーの時代を読む
マックス・ウェーバーの「パーリア」論(上山安敏)
ウェーバーの大統領制論とワイマル共和国崩壊の憲政史的問題(雀部幸隆)
政治史と文化史との間――マックス・ウェーバーと歴史学「方法論争」(牧野雅彦)
尊敬すべき敵関係――シュミット『政治的なものの概念』におけるヴェーバーの批判的受容につい て(佐野誠)
ウェーバー学の両義性について(濱井修)
Ⅳ テキストとの対話――批判的解釈の地平
『シュタムラー論文』の意義(向井守)
資本主義の精神における〈教育〉の契機――日本の『倫理』解釈史からの一考察(橋本直人)
方法論的合理主義の可能性――「合理化史観」の呪縛を超えて(矢野善郎)
「合わない頭をつけたトルソ」から「頭のない五肢体部分」へ――『マックス・ヴェーバー全集』(『経 済と社会』「旧稿」該当巻)編纂の現状と問題点(折原浩)
エッセイ「マックス・ヴェーバー研究」――歴史は社会科学的認識の本質的基礎である(ホーニク スハイム)(住谷一彦)
資料編
ウェーバー的問題の今日的意義――シンポジウム「マックス・ヴェーバーと近代日本」に向けて (橋本努)
問いの絶えざる再生のために――シンポジウム「マックス・ヴェーバーと近代日本」を終えて(橋本 直人)
日本のヴェーバー研究の今日的課題――シンポジウム「マックス・ヴェーバーと近代日本」を振り 返って(矢野善郎)
日本マックス・ヴェーバー研究史略年譜