同時代史考
政治思想講義
加藤節 著
東西冷戦の終焉から二〇年、政治学は複雑化する世界を記述するための言葉を失いつつある。ホッブズ、ロックからヘーゲル、マルクスを経て丸山眞男、福田歓一まで、先哲の遺した豊かな思想を引照しつつ、現実を正義と悪に二項化する言説の支配にあくまで抗し、政治学を学ぶすべての者が対峙すべき喫緊の課題を提示する。政治思想史への入門書としても最適の一冊。
序 章 言葉が貧困化する時代――同時代史のために
第一章 政治社会と憲法
第二章 政治と暴力
第三章 デモクラシー
第四章 民族とナショナリズム
第五章 冷戦後の世界における「自由」と「平等」
終 章 知識人の復権のために
附論Ⅰ 政治思想は政治学に対してどのような貢献ができるか
附論Ⅱ 国を愛するということ――三人の思想家からの問い
附論Ⅲ 共鳴しあう鎮魂・祈り・批判