百姓と仕事の民俗
広島県央の聴き取りと写真を手がかりにして
田原開起 著
ジャンル : 民俗・民芸
「一世代前が百姓らしい最後の『百姓』であり、私たちの世代が『百姓』から『農業従事者』への移行の世代だともいえる。/私たちの次の世代は、ハイテクを組み込んだ農業機械とともに生きる『農業従事者』の世代である。」
広島県央の古老たちに長い時間をかけて「聴き取り」をし、消えゆくその言葉と「農作業」の具体例を、たくさんの写真とともに記録した貴重な資料集。自然と闘いながら、同時に身を委ね、日々を重ねてきた「百姓」たちの姿が浮かび上がる。
第一部 百姓の四季
第一章 人と牛
I 人と牛の出会い/II 同伴者としての牛/III 牛馬と人と農耕/IV 牛耕とその終わり/V 件
第二章 農作業の一年間
I 冬のあいだの仕事/II 田植まで/III 田植のあとも続く作業/IV 水田の仕事が一段落/V 収穫の秋 十月/VI 秋が終わって一段落/VII 晩秋から冬(次の年への準備)/VIII こぼれ話
第二部 百姓が生み出した知恵
第一章 自然や人と響き合って生きる知恵
I 仕事から生まれた労働の知恵/II 仕事で鍛えられた子ども/III 円滑な共同体につながること/IV 仕事体験のなかのたわいない話
第二章 地域文化を考える
I すたれゆく挨拶言葉/II 語り伝えられている風俗/III 語り伝えられている風物
【著者紹介】
田原開起(たはらはるゆき)
1937年広島県生まれ。広島大学教育学部卒業。広島県公立学校教員、広島県教育委員会事務局(社会教育関係部門)職員として務める。1998年定年退職する。2005年佛教大学大学院修士課程(教育学研究科生涯教育専攻)を修了する。現在、農業に従事する。
著書『死と生の民俗―産湯で始まり、湯灌で終わる』(近代文芸社、2008)。
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