[新訳・評注]歴史の概念について
ヴァルター・ベンヤミン 著
鹿島徹 訳・評注
ベンヤミン個人の人生とヨーロッパの情勢と、ふたつの危機の度合いが深まっていくなかで構想された未完の遺稿「歴史の概念について(歴史哲学テーゼ)」。6つのバージョンの原稿が現存しているが、既訳では特定の校訂版のみが主として参照されてきた。本書は、これまであまり顧みられてこなかった、1981年にジョルジョ・アガンベンが入手したタイプ原稿を底本にすえ、他の原稿を参照しつつ新訳を作成する。底本のみに見られるテーゼ1篇と自筆の書き込みも訳出。訳者による各テーゼへの充実した評注も独立させて附し、テクストの新たな相貌を浮かび上がらせる。
イントロダクション――時代・生涯・テクスト
1 執筆当時の歴史状況――コミンテルン人民戦線戦術と独ソ不可侵条約
2 自死にいたるまでのベンヤミンの軌跡――未定稿として遺されたテクスト
3 現存する複数の原稿について
4 参考資料――断章と先行翻訳
ヴァルター・ベンヤミン「歴史の概念について」(「歴史哲学テーゼ」)
テーゼI-XIX
(底本独自のテーゼ1篇が追加され、従来より総数1つ多)
テーゼXI
(底本には「XI」が二つ有、二つ目は従来のBに相当)
参考テーゼ
(従来のA、底本には欠くため、参考として付録)
評注
1 テクスト全体の概観
2 各テーゼへの評注
3 評注への結語
鹿島 徹(かしま・とおる)
1955年生まれ。テュービンゲン大学哲学部博士学位取得。現在、早稲田大学文学部教員。哲学。著書に、『埴谷雄高と存在論』(平凡社)『ハイデガー『哲学への寄与』解読』(共著、平凡社)『可能性としての歴史』(岩波書店)。訳書に、ロルフ・ヴィガースハウス『アドルノ入門』(共訳、平凡社)ほか。
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批判的冒険の偉大さと逆境(十九―二十世紀)
ジャンル : 哲学・思想 >> マルクス・マルクス主義
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定価: 本体6,800円+税 ISBN: 978-4-624-01194-9 発行日: 2015年12月7日
本来性という隠語
ドイツ的なイデオロギーについて
テオドール・アドルノ 著 / 笠原賢介 訳
定価: 本体2,500円+税 ISBN: 978-4-624-93211-4 発行日: 1992年7月1日