批判的合理主義 第1巻 基本的諸問題
定価:本体3,500円+税
ISBN:978-4-624-01156-7
ISBN[10桁]:4-624-01156-2
発行日:2001年8月30日
判型:A5
ページ:300
Cコード:C0010
ポパー哲学研究会 編
1999年に創立十周年を迎えた日本ポパー哲学研究会がポパー思想の発展をめざして、 その研究成果を広く世に問おうとする総力をあげての論集。 第2巻の 「応用的諸問題」とともに全2巻で構成。第1巻には小河原誠、立花希一、蔭山泰之、嶋津格、神野慧一郎ほかの各氏の17論文を掲載し、ポパー哲学の「批判的合理主義」の思想を吟味する。
刊行にあたって
第1部 批判的合理主義の可能性
実証ではなく、反証を――非正当化主義の概要―― 小河原 誠
1. 実証(正当化)は可能か
2. 論証の意義
3. 帰納法
4. 帰納法と証拠との関係
5. 証拠と論証にかんする虚無主義
6. 反証のみはなしうる
7. 真理の問題
8. 規制観念としての真理
9. 真理の判定規準
10. 反証はなにをおこなっているのか
ポパーの批判的方法について… 立花 希一
1. 序
2. 伝統的な批判的方法
3. ポパーの批判的方法
科学論とポパー哲学の可能性 小林 傳司
1. 科学を診断する
2. 科学の変容
3. 批判的精神の行方
4. バランスの回復に向けて
エンジニアリングの観点から見た反証主義と通常科学 蔭山 泰之
はじめに
1. 反証可能性をめぐる議論
2. エンジニアリングの観点から見た反証プロセス
3. ピースミール社会工学の立場
4. 道具主義との関係
5. エンジニアリングとパズル解き
6. 技術活動における批判的態度
第2部 帰納および方法論的諸問題
帰納の実践的問題──反D. ミラー 論── 高島 弘文
はじめに
(I)ミラーのポパー弁護論を批判して
(II)ミラーの戦略
(III)理論はやはり教示する
(IV)ミラーの戦略は失敗である
結語
社会科学方法論の特質─3. ポパーの形而上学的実在論 (R. A. S., p. 80以下)
4. 知識の主観的理論がなぜ成立しないか (R. A. S., p. 92以下)
5. 実在に関する第二のタイプの議論
6. 経験という次元での実在
7.「人間の知識についての三つの見解」に述べられた見解
8. 「実在的」と「推測的」について
9. 結論
10. ポパーの実在論のひとつの帰結──エピローグ
ポパーと身心問題 中才 敏郎
1. 序論
2. 初期の唯物論批判:ポパーvs.セラーズ
3. 自我と進化論
4. 還元主義と同一説
5. 相互作用についてのエックルズの議論
6. 結論
「世界4」論の射程 橋本 努
1.「世界3論」への批判
2. 個体主義と総体主義
3.「世界4」の導入
4.「世界4」論の問い
5. ポパーの世界類型を再分類する
6. おわりに
第4部 思想史的考察
ポパーとプラトン──認識論と政治のかかわり── 小河原 誠
カール・ポパーの宗教観──ユダヤ教・キリスト教・批判的合理主義── 立花 希一
1. 問題提起
2. ポパーによるキリスト教の評価
3. 改革者としてのイエスおよび初期キリスト教
4. まとめ
ポパーの反証主義の背景としてのマイモニデスの否定神学 立花 希一
1. 研究の契機
2. ユダヤ教の批判的伝統
3. マイモニデスの否定神学
4. 否定神学
開かれた社会―開かれた宇宙
哲学者のライフワークについての対話
カール・ポパー フランツ・クロイツァー 対談 / 小河原誠 訳
定価: 本体2,000円+税 ISBN: 978-4-624-93214-5 発行日: 1992年9月10日