加藤尚武著作集第13巻 形と美
加藤尚武 著
シリーズ : 加藤尚武著作集
この巻には一九九一年に中央公論社から刊行され、のちに岩波現代文庫に収められた名著『形の哲学――見ることの概念史』<をはじめとして、最初期の「シェリングとショーペンハウアーの芸術哲学」をはじめとして「現象学批判」「デューラーとブリューゲルの空間描写の違い」や「熊沢蕃山と安藤昌益」「西田幾多郎」など東洋思想を幅広く論じた単行本未収録論文19篇を収録する。著者の芸術的鑑賞力や美への関心の深さと多様性を遺憾なく発揮した一冊。
『形の哲学――見ることの概念史』
*単行本未収録論文
現象学批判
味覚と志向性
形とエロティシズム――くびれた腰はどうしてセクシュアルなのか
美の起源
シェリングとショーペンハウアーの芸術哲学
デューラーとブリューゲルの空間描写の違い
ハイデガーの技術論と柳宗悦の民芸論
モエレ沼
現代哲学としての仏教
熊沢蕃山と安藤昌益
死生観の東西――井上円了の霊魂論
西田幾多郎
明治期日本におけるドイツ哲学の選択
田中正造と南方熊楠
植民地主義の文体
山本信――ヘーゲルの屋台骨にヴィトゲンシュタインの扉をつける
知の人・伊東俊太郎――古今東西かつ文理融合
坂部惠
東洋思想と二十一世紀のアジア
著者解題
人名索引
1937年、東京生まれ。
1960年、東京大学教養学部学生として安保闘争に参加。
1963年、東京大学文学部哲学科を卒業。東京大学文学部助手、山形大学教養部講師・助教授、東北大学文学部助教授、千葉大学文学部教授、京都大学文学部教授、鳥取環境大学学長、東京大学医学系研究科特任教授を歴任。元日本哲学会委員長。日本学術会議連携会員、京都大学名誉教授。
《専門》
ヘーゲル哲学、環境倫理学、生命倫理学。現在は、徳倫理学、貢献心、利他主義の研究開発に従事している。
《受賞》
哲学奨励山崎賞(1979年)、和辻哲郎文化賞(1994年)、紫綬褒章(2000年)、建築協会文化賞(2002年)
《主な著書》
『ヘーゲル哲学の形成と原理』未來社、1980年
『バイオエシックスとは何か』未來社、1986年
『環境倫理学のすすめ』丸善ライブラリー、1991年
『哲学の使命』未來社、1992年
『ヘーゲルの「法」哲学』青土社、1993年
『ヒトと技術の倫理』NHKライブラリー、1993年
『21世紀のエチカ』未來社、1993年
『応用倫理学のすすめ』丸善ライブラリー、1994年
『技術と人間の倫理』NHKライブラリー、1996年
『現代倫理学入門』講談社学術文庫、1997年
『20世紀の思想』PHP新書、1997年
『脳死・クローン・遺伝子治療』PHP新書、1999年
『先端技術と人間』NHKライブラリー、2001年
『価値観と科学/技術』岩波書店、2001年
『合意形成とルールの倫理学』丸善ライブラリー、2002年
『戦争倫理学』ちくま新書、2003年
『新・環境倫理学のすすめ』丸善ライブラリー、2005年
『現代人の倫理学』丸善、2006年
『教育の倫理学』丸善、2006年
『資源クライシス』丸善、2008年、中国語(簡体字)に翻訳
『形の哲学』岩波現代文庫(再版)、2008年
『災害論』世界思想社、2011年
『死を迎える心構え』PHP研究所、2016年
『加藤尚武著作集』(全15巻)未來社、(2017年~、刊行中)