プロレタリアートの理論のために
マルクス主義批判論集
ジョルジュ・ソレル 著
上村忠男 竹下和亮 金山準 訳
ジャンル : 哲学・思想 >> マルクス・マルクス主義
シリーズ : 転換期を読む
〔転換期を読む23〕
ジョルジュ・ソレルは、……1894年、『資本論』に接して、40歳代なかばでそれまで勤務していた政府土木局の職を辞して文筆家の道に入って以来、マルクスにたいする評価については180度の転回をとげつつも、――最近もあるひとりの政治思想史家が述べているように――「プロレタリアートの私心なき奉仕者」としての姿勢そのものは最後の最後まで変わらずに貫きとおしたのだった。(「解説」より)
『暴力論』の著者として知られる革命的サンディカリスト、ジョルジュ・ソレル(1847-1922)の著作群のうち、彼が革命的サンディカリズムに接近して以降の代表的論著3篇を訳出した、日本語版独自の論集。19世紀末~20世紀初め、フランスのサンディカリストたちが推進する総罷業をはじめとする実践活動に社会主義の新たな可能性を見いだしたソレルが、教条主義的なマルクス主義者たちと一線を画しながら、独自に理論を構築していった軌跡に迫る。
労働組合の社会主義的将来(上村忠男訳)
“L'avenir socialiste des syndicats,” L'humanité nouvelle, II (1898).
マルクス主義の分解(竹下和亮訳)
La décomposition du marxisme (Paris, Marcel Rivière, 1908)
『プロレタリアートの理論のための素材』へのまえがき(金山準訳)
“Avant-propos,” in: Matériaux d'une théorie du prolétariat (Paris, Marcel Rivière, 1919)
〔解説〕ソレルとマルクス主義(上村忠男)
ジョルジュ・ソレル(Georges Sorel, 1847-1922)
フランスの哲学者、社会主義者。もとはエンジニアとして政府の土木技師を務めていたが、1892年に退職し、文筆活動をはじめる。サンディカリズム運動に啓発を得て、プロレタリアートを中心にすえた新たな理論の構築をはかった。代表的な著書に『暴力にかんする省察』(邦訳『暴力論』上・下、今村仁司・塚原史訳、岩波文庫)。
上村忠男(うえむら・ただお)
1941年生まれ。東京外国語大学名誉教授。学問論、思想史専攻。著書に『歴史家と母たち』、『ヘテロトピアの思考』、『超越と横断』、『無調のアンサンブル』(以上、未來社)、『現代イタリアの思想をよむ』(平凡社)、『ヘテロトピア通信』(みすず書房)ほか。訳書にヴィーコ『新しい学』(法政大学出版局)、アガンベン『到来する共同体』(月曜社)、カッチャーリ『死後に生きる者たち』(みすず書房)ほか。
竹下和亮(たけした・かずあき)
1972年生まれ。東京外国語大学大学院地域文化研究科博士課程修了。現在、国際基督教大学準研究員。フランス近世思想史専攻。共訳書に『イタリア版「マルクス主義の危機」論争』(未來社)。
金山 準(かねやま・じゅん)
1977年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程修了。現在、北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院准教授。社会思想史専攻。共訳書にG・ヴァッティモ『弱い思考』(法政大学出版局)、『イタリア版「マルクス主義の危機」論争』(未來社)。
時ならぬマルクス
批判的冒険の偉大さと逆境(十九―二十世紀)
ジャンル : 哲学・思想 >> マルクス・マルクス主義
ダニエル・ベンサイド 著 / 佐々木力 監訳 / 小原耕一 渡部實 訳
定価: 本体6,800円+税 ISBN: 978-4-624-01194-9 発行日: 2015年12月7日
イタリア版「マルクス主義の危機」論争
ラブリオーラ、クローチェ、ジェンティーレ、ソレル
ジャンル : 哲学・思想 >> マルクス・マルクス主義
上村忠男 監修 / イタリア思想史の会 編訳
定価: 本体3,200円+税 ISBN: 978-4-624-93440-8 発行日: 2013年8月20日
国民革命幻想
デ・サンクティスからグラムシへ
ジャンル : 政治・法 >> 政治哲学・西洋政治思想史
上村忠男 編訳
定価: 本体1,500円+税 ISBN: 978-4-624-93425-5 発行日: 2000年6月30日