理性の行方 ハーバーマスと批判理論
木前利秋 著
シリーズ : ポイエーシス叢書
〔ポイエーシス叢書61〕
昨年12月に惜しまれて亡くなられた著者の長年にわたるハーバーマス研究の成果。小社PR誌「未来」に21回にわたって連載され話題を呼んだ長篇論考に亡くなる直前まで徹底的な改稿を加え、ハーバーマスの思想の全体像を明快に描き出した渾身の力作。旧稿をさらに改稿して全体の問題設定として据えた「序章 近代の行く末」と、付録としてハーバーマスにかんする論文等三篇、ほかに追悼文四篇を収録し、著者のハーバーマスへの取組みを立体的に再構成した。
刊行にあたって
序 章 近代の行く末
はじめに
一 啓蒙的解放と市民的公共圏
二 文化的近代の現実と可能性
三 社会的近代の現実と可能性
むすびにかえて
第一章 公共圏へのまなざし
はじめに
一 公共圏の基礎概念
二 公共圏論の基本モティーフ
三 残された問題
第二章 行為とコミュニケーション
はじめに
一 行為論の基本性格――労働と相互行為をめぐって
二 行為論の転換①――成果指向と了解指向
三 行為論の転換②――討議と行為
むすびにかえて――言語使用の諸相
第三章 方法としての反省概念
はじめに
一 自己反省の概念
二 「自己批判の優位」
三 「合理的再構成」の優位
四 合理的再構成と自己批判の補完関係――むすびに代えて
第四章 時代診断としての批判理論――ハーバーマスと現代社会論
一 普遍的疎外論の地平
二 疎外論の再構成とそのアポリア
第五章 熟議民主主義の地平
一 法の事実性と妥当性
二 権利と法
三 法と権力
四 熟議的政治の基本的特徴
五 市民的公共圏の政治的意味
六 熟議民主主義と権力循環
七 権力の対抗的循環
付論・付録
公共圏論の原像と変容
ハーバーマスの言語観
近代化と西欧近代の普遍主義的意味
追悼・木前利秋(上村忠男・岩崎稔・亀山俊朗・西谷能英)
木前利秋(きまえ としあき)
1951年長崎市生まれ。東京大学大学院経済学研究科・博士課程退学。大阪大学大学院人間科学研究科教授。現代社会論・社会思想史専攻。著書に『メタ構想力』(未來社、2008年)。共著・共編に『ハーバーマスと現代』(新評論、1987年)『ニーチェ事典』(弘文堂、1995年)『摸索する社会の諸相』(御茶の水書房、2005年)など。2013年12月逝去。
メタ構想力
ヴィーコ・マルクス・アーレント
ジャンル : 哲学・思想 >> マルクス・マルクス主義
木前利秋 著
定価: 本体2,800円+税 ISBN: 978-4-624-93257-2 発行日: 2008年3月31日
事実性と妥当性(下)
法と民主的法治国家の討議理論にかんする研究
ユルゲン・ハーバーマス 著 / 河上倫逸 耳野健二 訳
定価: 本体3,800円+税 ISBN: 978-4-624-01163-5 発行日: 2003年5月20日
事実性と妥当性(上)
法と民主的法治国家の討議理論にかんする研究
ユルゲン・ハーバーマス 著 / 河上倫逸 耳野健二 訳
定価: 本体3,800円+税 ISBN: 978-4-624-01162-8 発行日: 2002年11月1日
法と正義のディスクルス
ハーバーマス京都講演集
ユルゲン・ハーバーマス 著 / 河上倫逸 編訳
定価: 本体1,800円+税 ISBN: 978-4-624-01147-5 発行日: 1999年6月30日
公共性の構造転換
市民社会の一カテゴリーについての探究
ユルゲン・ハーバーマス 著 / 細谷貞雄 山田正行 訳
定価: 本体3,800円+税 ISBN: 978-4-624-01123-9 発行日: 1994年5月30日
未来としての過去
ハーバーマスは語る
ユルゲン・ハーバーマス 著 / 河上倫逸 小黒孝友 訳
定価: 本体1,800円+税 ISBN: 978-4-624-01107-9 発行日: 1992年2月10日
コミュニケイション的行為の理論(下)
ユルゲン・ハーバーマス 著 / 丸山高司 厚東洋輔 訳
定価: 本体4,800円+税 ISBN: 978-4-624-01083-6 発行日: 1987年8月25日
コミュニケイション的行為の理論(中)
ユルゲン・ハーバーマス 著 / 藤澤賢一郎 岩倉正博 訳 / 他訳
定価: 本体4,800円+税 ISBN: 978-4-624-01080-5 発行日: 1986年6月20日
コミュニケイション的行為の理論(上)
ユルゲン・ハーバーマス 著 / 河上倫逸 平井俊彦 訳 / 他訳
定価: 本体4,800円+税 ISBN: 978-4-624-01075-1 発行日: 1985年10月2日