応答する呼びかけ
言葉の文学的次元から他者関係の次元へ
湯浅博雄 著
シリーズ : ポイエーシス叢書
〔ポイエーシス叢書〕ボードレール、ランボー、バタイユ、ソシュールなどのテクストを媒介に繰り広げられる文学・言語論であり、かつ他者論。現代の文学が問題にする実存の特異性、そして「経験」の固有性を論じ、言葉にたいする通念を疑い、未知なる他者とのコミュニケーションのあやうさを解き明かす。単独な私と単独な他者とのあいだのコミュニケーションは、無限に終わることなく近づこうとする運動であり、永遠回帰的に反復される。ひとつひとつ積み上げられていく湯浅博雄氏独特の文章は、それ自体、「書くこと」が固有な独特さを孕んでいることを証明している。
第1章 文学における方向転換
第2章 〈書くこと〉の探求
第3章 言葉への問い
第4章 他者関係への現象学的アプローチ
第5章 他者に関わる志向性は間接的に作用すること
第6章 他者の呼びかけと〈言語的なもの〉
第7章 他者の特異性に関わろうとする言葉
第8章 愛の関係という他者関係
第9章 〈他者との関係〉は絶えず反復的に生きられる
滞留
[付/モーリス・ブランショ 「私の死の瞬間」]
ジャック・デリダ モーリス・ブランショ 著 / 湯浅博雄 監訳
定価: 本体2,000円+税 ISBN: 978-4-624-93245-9 発行日: 2000年11月10日