ベートーヴェン研究(合本)
山根銀二 著
ベートーヴェンの芸術創造、人間的苦悩、失意に充ちた生涯を会話帖や手紙類等の遺された膨大な資料を駆使し、これまでの伝記的通説を批判的に検討した大著。1974~1975年にかけて三冊本として刊行され、1976年の鳥居賞(現在のサントリー学芸賞)を受賞した。このベートーヴェン研究の決定版を読者の要望に応え、合本として復刊する。合本にともない索引も一新した。昨年のベートーヴェン生誕250年に因んだ名著の歴史的復活。図版も多数収録。
復刊にあたって(山根弥生子)
序
第一章 生い立ち
第二章 宮廷オルガニスト
第三章 ボン時代のおわり
第四章 門 出
第五章 登 攀
第六章 テレーゼ ヨゼフィーネ ジュリエッタ
第七章 エロイカとアパッシオナータ
第八章 フィデリオ
第九章 高 翔
第一〇章 不惑の年
第一一章 停 滞
第一二章 ウィーン会議のあと
第一三章 昏 迷
第一四章 ハンマークラヴィア
第一五章 ミサ・ソレムニス
第一六章 第九交響曲
第一七章 最後の時期
第一八章 終 焉
書名簡略表 巻末
作品索引 巻末
人名索引 巻末
山根銀二(1906-1982)
一九〇六年、東京生まれ。一九八二年、七六歳で没。ベートーヴェン研究家として知られる音楽評論家。東京帝国大学文学部美学美術史学科卒。朝日新聞、東京新聞等で音楽批評の論陣を張り、硬派の批評家として活躍した日本の音楽界の重鎮。
著書に、『音楽論集』音楽之友社(一九四九)、『音楽美入門』岩波書店(一九五〇)、『音樂の旅』岩波書店(一九五六)、『音楽の歴史』岩波書店(一九五七)、『孤独の対話――ベートーヴェンの会話帖』岩波書店(一九六八)、『孤独の対話――ベートーヴェンの会話帖』岩波書店(一九七九)、『音楽批評・山根銀二の時代――山根銀二著作集』芸術現代社(一九八六)などがある。