新宿八犬伝〔完本〕
川村毅 著
歌舞伎町とは、新宿とは、そして日本とはなにか? 激動の時代を駆け抜けた八犬士たちの物語は、失われゆく歓楽街の裏側、溢れんばかりに欲望を湛えた異界・犬街にて終わりを告げる。第30回岸田國士戯曲賞受賞作「第一巻―犬の誕生―」より、劇作家活動30周年を記念し書き下ろされた完結篇「第五巻―犬街の夜―」までシリーズ全五巻を完全収録。
※本書は小社刊『新宿八犬伝』『新宿八犬伝II』収録の「第一巻 犬の誕生」「第二巻 ベルリンの秋」「第三巻 洪水の前」「第四巻 華麗なる憂国」に、シリーズ完結篇として書き下ろされた「第五巻 犬街の夜」を加え合本にしたものです。
1959年、東京都生まれ。劇作家、演出家、ティーファクトリー主宰。1980年、明治大学在学中に劇団第三エロチカ創立。1985年、『新宿八犬伝 第一巻―犬の誕生―』で第30回岸田國士戯曲賞受賞。2000年初演『ハムレットクローン』はフランス、ドイツ、ブラジルにて、2003年初演『AOI/KOMACHI』はフランス、イタリア、アメリカにて上演された。2007年より京都造形芸術大学教授、2008年より日本大学芸術学部非常勤講師。戯曲集に『ジェノサイド』『ラスト・フランケンシュタイン』(未來社)『ラスト・アジア』(白水社)『エフェメラ伝説』『フリークス』『帝国エイズの逆襲』(新宿書房)『ハムレットクローン』『AOI/KOMACHI』(論創社)ほか。