まど・みちおという詩人の正体
大橋政人 著
童謡「ぞうさん」などでよく知られた詩人まど・みちお(1909-2014)と生前交流もあった現代詩人の著者が、まど・みちおを童謡詩人としてばかりでなく、現代詩のなかの異色の詩人としてその神秘主義的側面に光をあてた評論をまとめた第一部「まどさんの形而上詩を読んでみる」と、月刊「未来」に一年にわたって連載した詩的エッセイ「アンイマジナブル」をあわせた洒脱なエッセイ集。
序詩
ある日のまどさん――まど・みちおさんを偲んで
まどさんへの質問
「ふたあつ」
第一部 まど・みちおについて
まどさんが、まどさんしている――まど・みちお詩画集『とおいところ』を読む
まどさん九十八歳の新詩集
吉本隆明×まど・みちお
「超現実」を気のすむまで不思議がった詩人まど・みちお
まどさんからの手紙
まど・みちおという詩人の正体(その1)
まど・みちおという詩人の正体(その2)
第二部 アンイマジナブルということ
三好達治「雪」の絵にもかけない美しさ
比喩でなく、山は動いているのかもしれない
「殺人チューリップ」と若き日の山村暮鳥
つるん、つるんの朝、昼、夜
「人間業」でないものがズボンからはみ出していく
植物は「いつのまにかの まほう」で大きくなる
右足が左足を、左足が右足を動かしているのか
宇宙は丸くて一つ、なんて思っていない?
吉本隆明は宗教オンチなのか
いま、「般若心経」が面白い
「妙好人」と呼ばれる人たちがいた
あとがき
1943年、群馬県生まれ。1963年、東京教育大学文学部英文科入学(中退)。
詩集に『ノノヒロ』(紫陽社)、『新隠居論』(詩学社)、『先生のタバコ』(紙鳶社)、『歯をみがく人たち』(ノイエス朝日)、『26個の風船』(榛名まほろば出版)、『朝の言葉』(思潮社)など。
少年少女詩の分野では個人詩集『十秒間の友だち』(大日本図書)のほか共著本多数。
絵本(文担当)は福音館書店から『いつのまにかの まほう』(韓国版も)、『みぎあしくんと ひだりあしくん』(同)、『ちいさなふくちいさなぼく』(中国語版も)、『つかめるかな?』(同)など。
詩集『まどさんへの質問』で第十二回三好達治賞受賞。日本現代詩人会会員。