明日なき原発
『原発のある風景』増補新版
柴野徹夫 著
安斎育郎 協力
原子力発電所がもたらした地域社会の崩壊と地方行政の腐敗を執念の取材で暴き出し、1981年度日本ジャーナリスト会議奨励賞を受賞した原発ルポルタージュの先駆け『原発のある風景』――そのなかですでに、その卑劣な隠蔽体質とずさんな管理体制が糾弾されている東電・福島原発の大災害をふまえ、原発なき未来への提言を大幅に増補。科学者の立場より一貫して原発政策を批判してきた放射線防護学の権威・安斎育郎氏の全面的な協力のもと、脱・原発のためにいまわれわれが踏み出すべき一歩を示す。
柴野徹夫(しばの・てつお)
1937年、京都府生まれ。新聞記者を経てフリージャーナリスト。憲法9条・メッセージ・プロジェクト(K9MP)編集統括。1981年度日本ジャーナリスト会議奨励賞受賞。著書に『原発のある風景』(全2巻、1983年、未來社)『日本の貧困』(共著、1983年、新日本出版社)『〔増補版〕まんが原発列島』(原作、2011年、大月書店)ほか。
安斎育郎(あんざい・いくろう)
1940年、東京都生まれ。立命館大学名誉教授、立命館大学国際平和ミュージアム名誉館長、K9MP共同代表。放射線防護学、平和学。著書に『放射能 そこが知りたい』(1988年、かもがわブックレット)『放射線と放射能』(2007年、ナツメ社)『〔増補改訂版〕家族で語る食卓の放射能汚染』(2011年、同時代社)『福島原発事故』(2011年、かもがわ出版)ほか。