ドイツ住宅問題の政治社会史
ヴァイマル社会国家と中間層
定価:本体20,000円+税
ISBN:978-4-624-32158-1
ISBN[10桁]:4-624-32158-8
発行日:1999年2月10日
判型:A5
ページ:760
Cコード:C3033
後藤俊明 著
ジャンル : 経済 >> 経済史・経済学史・経済思想史
中間層問題の鍵を握る家主層に着目し、ヴァイマル期の住宅政策をめぐる社会紛争を包括的かつ立体的に分析。十余年にわたる研究成果の集大成。
序論
第一章 第一次世界大戦期における住宅政策の転換
はじめに
第一節 限界づけられた公的干渉──大戦前の住宅政策──
1 住宅問題と公的干渉
2 ゲマインデの住宅政策とその反対派
第二節 出征者家族の保護と家主の救済
1 家賃支払猶予令と家主層
2 家主層への部分的モラトリアム
第三節 借家人保護立法の開始
1 住宅建設の衰退
2 帝国議会の決議と住宅改革運動の高揚
3 七月布告の制定
4 七月布告をめぐる論争と成果
第四節 借家人保護と戦時社会──結びに代えて──
第二章 借家人保護政策と社会的国家干渉
はじめに
第一節 ヴァイマル初期の住宅市場
第二節 法定家賃制度による家賃規制
1 プロイセン最高家賃令の導入
2 プロイセン最高家賃令をめぐる紛争
3 全国家賃法の成立過程
4 法定家賃制度の実施とその影響
第三節 住宅不足法と借家人保護法
1 住宅利用の公的規制と住宅割当制度
2 解約告知権濫用の制限
おわりに
第三章 住宅建設における国家助成政策の開始
はじめに
第一節 干渉主義的住宅政策への転換
1 住宅改革派の建設助成構想
2 帝国議会の決議
第二節 国実
4 住宅建設における公益性の優位
第五章 インフレ利得の再分配をめぐる社会紛争──増額評価問題と家賃税の導入──
はじめに
第一節 インフレ以後の住宅政策構想──家賃税制の原型──
1 労働省の政策転換
2 「家賃税法」草案の作成
第二節 債権者運動と司法の動向
1 債権者運動の形成とデューリンガー法案
2 司法における増額評価承認の動き
3 最高裁判所の増額評価判決
第三節 授権法体制における暫定的解決
1 大蔵省の基本構想
2 マルクス内閣における意見対立
3 限定的増額評価への転換と議会諸政党
第四節 第三租税緊急令の内容
1 増額評価
2 財政調整制度とインフレ利得税
3 小括
第五節 第三租税緊急令修正問題と社会的諸利害
1 商工業の修正反対論
2 労働組合と社会民主党の修正論
3 債権者の反発とその政治的攻勢
4 家主層の利害状況と緊急令批判
第六節 インフレ利得再分配問題の制度的決着
1 右翼中道ブロックの形成と経済党
2 第三租税緊急令修正の政府草案
3 大統領選挙と議会諸政党の攻勢
4 与党の妥協による法案成立
5 増額評価問題の決着と家主ギーの諸要素
3 経済党の綱領──「ゲルリッツ指針」
4 経済党の議会活動
5 小括
第四節 恐慌期の経済党と家主層
1 ブリューニング内閣と経済党
2 三〇年九月選挙と経済党の自己崩壊
おわりに
終章 ヴァイマル社会国家と住宅問題
第一節 ヴァイマル住宅政策の総括的評価
第二節 住宅制度と社会国家の問題性
あとがき
文献目録
事項索引
人名索引