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黒死病の時代のジャクリー
定価:本体9,600円+税
ISBN:978-4-624-11180-9
ISBN[10桁]:4-624-11180-X
発行日:2001年2月28日
判型:A5
ページ:446
Cコード:C3022
近江吉明 著
ジャンル : 歴史 >> フランス史・フランス研究
後期フランス中世における最大の民衆蜂起「ジャクリー蜂起」は、近年になってめざましく研究が進み、民衆史研究に大きく寄与している。本書はいわゆる「社会史」の成果と手法を取り入れつつ、「階級闘争史観」の克服をめざして政治史・事件史を含めた《全体史》的な民衆蜂起像を構築。 多様な側面から民衆蜂起の総合的把握を試みる。
はしがき
序 章
一 ジャクリーとは
二 本書のねらいと構成
三 「蜂起衆」・「領主制の危機」について
四 ジャクリー関連史料の分布状況
第I章 ジャクリー研究の歩み
はじめに
一 一九世紀の研究
二 一九七〇年代の研究
三 最近の動向
四 R=カゼルの仏・一四世紀民衆蜂起理解をめぐって
(一)ジャクリー蜂起の原因をめぐって
(二)ジャクリー蜂起の主体・参加者
(三)ジャクリー蜂起の本質は?
(四)R=カゼル説について若干のコメント
おわりに
第II章 ジャクリー蜂起勃発の背景
はじめに
一 中世領主経済の危機
(一)領主制の危機と農村
(二)天変地異・流行病と農村民
(三)「経済変動」と農村民
二 政治的・軍事的危機の進展
(一)百年戦争・領主・戦費
(二)全国三部会・国王顧問会との係わり
(三)権力内部の対立
三 社会的危機
(一)農村民の不安・恐怖感
(二)野武士団の横行
(三)農村民の危機意識
おわりに
第III章 E=マルセルとパリ都市民蜂起
はじめに
一 研究史──系譜論的アプローチ──
(一) 両大戦間期までの研究
(二) 戦後研究布
(一) 各地のジャクリー
(二) サン-ルゥ-デスラン事件の位置
二 蜂起衆の構成とその基盤
(一) 蜂起衆の出現とその特徴
A 蜂起参加者
B 蜂起衆の成立基盤
(二) 蜂起指導者の動き
A 各地の隊長
B G=カールの情報と組織力
C 蜂起衆をとりまく諸状況
三 行動様式
(一) 攻撃対象とその目的
(二) 蜂起衆の振る舞い
第VI章 一三五八年ジャクリー蜂起鎮圧をめぐって
はじめに
一 メロ村の敗北とジャクリー鎮圧
二 「特赦状」にみられる鎮圧状況
三 『全体特赦状』の位置
第VII章 ジャクリー Jacquerie の伝統
はじめに
一 ジャクリー蜂起の呼称
二 ジャクリーの用語の出現とその定着
三 ジャクリー像の変遷
おわりに
おわりに
あとがき 331
附録巻末
・史料「年代記」
・史料「特赦状」
・関連小年表
・フランス王家系譜(ヴァロワ朝)
・関連地図
参考文献一覧
・欧文文献
・邦語文献
仏文タイトル
仏文目次
仏文要約
索引(人名・地名・事項)