民衆と豪農
幕末明治の村落社会
定価:本体2,800円+税
ISBN:978-4-624-11088-8
ISBN[10桁]:4-624-11088-9
発行日:1998年5月25日
元版年:1985
判型:四六
ページ:262
Cコード:C0021
高橋敏 著
独自の資料解読と民俗学的フィールドワークで定評ある著者が、近世から近代への変革期を、豪農層主導の地域・村落再編成のなかで生きぬいた民衆像を追う。
村の民衆文化
はじめに
一 村と文字文化
1 村の成立と文字文化
2 文字文化の普及と村の文化
3 村における文字文化の獲得
4 豪農の学問と文芸
二 無文の文化
1 村落共同体の文化
2 民衆の反文字思想
3 文字文化と無文字文化
三 民衆の文化創造
白隠とその時代
一 世俗の禅僧=白隠
1 自画賛の怪
2 出自と行脚
3 白隠の見た現世
4 寺請仏教と民衆
二 白隠の宗門・幕政批判
1 『遠羅天釜』と宗門批判
2 『於仁阿佐美』と現世観
3 『辺鄙以知吾』と政治批判
4 暗君・酷使・村長
5 張本は民にあらず、窮鼠却て猫を噛む
6 嗟危いかな、国脉必ず断絶せん
7 神君の御遺訓
8 『辺鄙以知吾』の禁書
三 白隠説法の世界と民衆
1 因果応報思想
2 説法の方法-法語と仮名物
3 因縁・縁起の世界
四 底辺民衆の救済
1 『延命十句観音経霊験記』
2 来世・地獄変相の世界
土にあらず農にあらず-墓碑に刻まれた地方文人-
一 五基の墓碑
1 並河誠所墓碑
2 秋山古鑑墓碑
3 石井玄徳墓碑
4 渡部求己墓碑
5 有号碑と北豆代念仏講
2 念仏講の思想
3 殉国勇士の英霊
おわりに-近代民衆史の課題
日常から変革へ-明治一〇年代の民衆と豪農
はじめに
一 村落共同体の構造と組織
1 村落共同体と支配
2 村落構造と豪農の経営
御宿村の村落構造-豪農と民衆 豪農下湯山家の経営
3 村落共同体の支配構造
同族組織と親分子分 豪農と交際
4 もうひとつの村落共同体組織
若者 狂導師唯念と念仏講 地芝居・祭文読・夜這い
二 明治一〇年代の豪農と民衆
1 二つの共同体の拮抗
貧民党事件の勃発 豪農の自由民権 貧民党事件の収束
地域民衆と自由民権運動
はじめに
一 明治維新期の民衆の生活と意識
1 「狂導師」唯念
2 地芝居・祭文読・夜竊婬-御厨人種の好嗜物
3 地域民衆の生活と習俗
二 土俗と開化の葛藤と啓蒙的抑圧
1 開化諸法令と地域民衆
2 教導職の啓蒙
3 大祓式と耶蘇対策
4 学制と民衆
三 明治一〇年代前半の自由民権
1 演説の時代
2 愛郷社の成立
3 愛郷社の性格
4 愛郷社の演説会
5 旧公儀社員演説と民衆
6 豪農と民戦争と習俗
おわりに
あとがき
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