ヘーゲルの未来
可塑性・時間性・弁証法
定価:本体5,800円+税
ISBN:978-4-624-01170-3
ISBN[10桁]:4-624-01170-8
発行日:2005年7月5日
判型:A5判上製
ページ:374
Cコード:C0010
カトリーヌ・マラブー 著
西山雄二 訳
「歴史の終わり」を超えて、真新しい未来が到来する――。時間性をめぐるヘーゲルとハイデガーの生産的対話をつむぎだしながら、あえていま主体性を再考する。現代フランスにおける反ヘーゲル主義とは一線を画した肯定的ヘーゲル解釈、フランス・ヘーゲル研究史におけるコジェーヴ以来の卓越した論者、カトリーヌ・マラブーの瑞々しい思考のプラスティック爆弾! ――デリダの脱構築と、ヘーゲルの弁証法、ハイデガーの存在論の関係の生産的な問い直しを続け、現在フランスで最も注目される哲学者、カトリーヌ・マラブー。本書においてマラブーは、ヘーゲルの時間論を批判的に読解するハイデガー、ハイデガー哲学を批判的に継承するデリダといった複数の対話を潜在的に共鳴させることで、彼女自身の哲学の核心をなす「可塑性」の運動、すなわち、自ら形を与える-受け取るという時間的な塑造過程を見定めようとしている。
日本語版への序文
謝辞
はしがき
序論
I 問題設定
A)ヘーゲル哲学は「過去のもの」なのだろうか?
B)可塑性の約束
II 可塑性の試練にかけられるヘーゲル哲学
A)可塑性という概念の通常の意味
B)ヘーゲルによる可塑性の思想
C)弁証法と「予見=不測」
III ヘーゲルの二つの時間
A)論理的区別化
B)時系列(クロノロジー)的区別化
C)思弁的論述と超越論的論述
IV 『精神哲学』の読解
第一部 ヘーゲルの人間、第二の自然の加工方法
序言
I 「人間学」の薄明
II 習慣のステータス
A)実体-主体のギリシア的契機
B)習慣、否定的なものの二重化の特殊様態
C)可塑性
III道程
第一章 「人間学」通釈
I 「自然的な魂」、元素的な同等性という概念の契機
A)「普遍的な魂」
B)「自然的質」の特殊性
C)個体的主体の個別性
D)「直接的判断」あるいは「自然的変化」
II 「感覚」、「感情」、「自