3月に小社から刊行いたしました『ブラジルの環境都市を創った日本人』(服部圭郎著)の主人公・中村ひとしさんが日本都市計画学会から国際交流賞を受賞されました。
国際交流賞は「長年にわたって、都市計画の国際的交流に携わり、海外諸国との交流並びに啓発普及と人材育成に貢献した者」を対象とした賞とのことで、授賞理由によると、クリチバをはじめとする環境施設設計、環境教育事業への多大な貢献が評価され、今回の受賞にいたったそうです(→詳細は公式HPにて)。
中村ひとしさんは柔軟かつ革新的なアイデアで都市の環境整備を進めてこられました。羊に除草をおこなわせる公園、市民のごみを市が買い上げる「ごみ買いプログラム」等々、環境に優しい公共施設を設計しただけでなく、環境の整備こそ都市の快適さに欠かせない要素なのだと住民に意識づける政策を立案してきました。
そうした中村さんの根底には、「都市とは車のためにあるのではなく、人のためにあるものだ」という信念が横たわっています。日本社会にとって、たんに都市政策のお手本になるだけでなく、快適な都市とは何か、都市づくりとは何かといった、より根本的な問題を考えるための偉大なヒントになるでしょう。
中村さんのこれまでの環境政策への取組みは、前記『ブラジルの環境都市を創った日本人――中村ひとし物語』で詳細にまとめられています。中村さんのよき理解者である服部圭郎さんが本人や関係者へのインタビューをおこない、中村さんのこれまでの歩みを第三者の視点から記述したものです。中村さんの仕事の全貌をお知りになりたい方はぜひ本書をお買い求めください!
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