2011年2月アーカイブ

 ようやく秀丸エディタの動作環境設定についてに一連の記述を終えたところでひと休みしてしまった。このあたりのことは部分的には既刊の拙著『編集者/執筆者のための秀丸エディタ超活用術』(二〇〇五年、翔泳社刊)と重なるところがあるので、できればそちらも参照してほしいが、ここまではより詳しい記述をしてきたつもりである。
 何度も書くが、ここでやろうとしていることは秀丸に特化したテキスト編集技法だけではないし、広くさまざまな編集にかかわるTIPSについて話をしようと思っているので、すこし話を急ぐことにしよう。
 さて、秀丸にはファイルを開くさいにさまざまなファイルタイプを設定する機能がある。データの種類によってはさまざまなファイルタイプを使い分けると便利なこともあるし、自分の好みのファイルタイプを設定して通常はそれを使えるようにしておくと使い勝手がよくなるということもある。いずれにしてもデフォルトのままで秀丸を使うのははっきり言って損である。
 それではどうするか。まず「その他」メニューから「ファイルタイプ別の設定」を選択すると開かれるダイアログを見てみよう。なにも設定していないときは「.TXTの設定」のプルダウンメニューには「共通」というファイルタイプが選択されているはずである。
 ここで大事なことは「共通」というファイルタイプは秀丸エディタを使いこなすためのさまざまな基本設定をここですませておくということであり、この「共通」ファイルタイプをベースにしてさまざまなヴァリエーションを作ってそれらを使い分けるということにつきる。「共通」ファイルタイプがしっかりできていれば、他のファイルタイプは必要に応じて部分変更するといっても、それほど大きな変更はないはずである。また、ここでの設定の多くはすでに設定ずみの「動作環境」設定と重なる点も多いので、ここまでの記述を忠実に追ってきてくれた読者ならそんなに多くの問題があるわけではない。

 そろそろ秀丸エディタの動作環境設定についても終りにするときがきた。ほんとうは秀丸だけでなく、わたしが必要におうじて使い分けているQXエディタやLightWayText(この原稿はこのエディタで書いている)についてもくわしく説明したいのだが、エディタの機能説明ばかりでは書くほうはもちろん、読むほうも飽きてしまうだろうから、あとは必要になれば、また記述することがあればよい。ただし、「その他」メニューのなかで「ファイルタイプ別の設定」と「キー割り当て」にも最小限は触れておかなければならないので、もうすこしおつきあいいただくことになるのだが。
 さて、「その他」メニューから「動作環境」を選択し、左側の「設定の対象」の一覧のなかにある「環境」を選択する。「パス」の欄の「マクロファイル用のフォルダ」でマクロファイルを保存するフォルダを設定しなければならない。通常はCドライブのなかの秀丸フォルダのなかにマクロフォルダを作成する。パス名は「C:\Program Files\Hidemaru\Macro」となる。こうしておけば、このフォルダのなかにマクロファイルを新規に作成したり、更新したりするだけで、秀丸上のマクロ処理は可能になる。秀丸の「マクロ」メニューから「マクロ登録」でこのフォルダのなかのマクロファイルをしかるべきマクロ番号に指定し、タイトルを決めればよい。マクロを多用するひとはデスクトップ上にこの「Macro」フォルダのショートカットを作っておくことをお奨めする。
 つぎに「正規表現」欄で正規表現のバージョンが「HMJREDLL V3.36」と表示されていれば、最新の秀丸独自の正規表現エンジンが搭載されていることになる。作者もこちらを推奨している。
 さらに「編集関係」では「編集可能な最大行数」を設定する。10万行以上1000万行まで指定できるが、マシンに余裕があれば最大の1000万行に設定しておいていいだろう。
 次に「設定の対象」の一覧のなかにある「その他のコマンド」を選択し、設定の左側の「+」をクリックする。「比較」タブの「他の秀丸エディタと内容比較」で「比較対照のダイアログを常に出す」にチェックを入れておく。こうしておくと、秀丸ファイルが複数開かれている場合にどのファイルを比較対照にするのか指定するダイアログを常に呼び出すことができる。「大文字/小文字の区別」「カラーマーカーで色付け」「常にファイル先頭から比較」のチェックボックスにチェックを入れる。v.5あたりからカラーマーカーが使えるようになって便利になった。
 つづけて「設定の対象」の一覧のなかにある「パフォーマンス」についてはすでに本連載の「20 秀丸のパフォーマンス設定」で述べてあるので、そちらを参照してほしい。
 最後に「設定の対象」の一覧のなかにある「関連付け」を選択する。ここで「拡張子の関連付け」ボタンをクリックすると、「秀丸エディタと関係付けるファイルの拡張子を指定できる。標準では「txt(テキスト文書)」のほかにプログラム用の拡張子が設定されている。ここでは「mac(秀丸マクロファイル)」を追加する。「追加」ボタンを押してウィンドウに「mac」と入力し、OKボタンをクリックするだけでよい。こうしておけば、マクロファイルを秀丸で開くことができるようになる。
 以上で、秀丸エディタの「動作環境」設定はほぼ終了である。ひとによってはもっと高度な設定を必要とする場合があるが、一般的な設定としてはひとまず十分である。とくにここで想定している著者や編集者の仕事においては、ここまで確認しておけばまず問題はないはずである。

このアーカイブについて

このページには、2011年2月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2011年1月です。

次のアーカイブは2011年3月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。