2010年9月アーカイブ

 さて、わたしが独自に割り付けているのは、「ファイル系」からは「名前を付けて保存」「カーソル位置への読込み...」「全保存終了」である。「名前を付けて保存」は通常「Shift+Ctrl+S」というショートカットキーが与えられているが、他のアプリケーションからデータを取り込んだり、新規ファイルにコピー&ペーストしたときなどにあると便利なコマンドである。「カーソル位置への読込み...」は他のファイルからデータをカーソル位置に追加したり挿入したりするのに便利である。「全保存終了」は複数の秀丸ファイルを編集したあとに、一括で保存と終了ができるので便利である。ファイルがひとつの場合でも有効なのがポイント。エンコードにかんするものとしては「日本語(Shift-JIS)」(Alt+S)、「改行=CR+LF」(Alt+W)、「Unicode(UTF-8)」(Alt+U)、「改行=LF」(Alt+X)があり、Shift-JISファイルとUnicodeファイルに相互変換するときに簡単であるが、これはアイコンがないのでツールバーに文字表示しかできないという不都合があるため、上記のように「キー割り当て」をおこなう。(*)
 つぎに「カーソル移動系」からは「最後に編集した所」「マーク一覧...」「現在行をマーク/マーク解除」「マーク行の下検索」を同様に割り付けている。「最後に編集した所」はカーソルを動かした場合に、直前の編集行為(入力、修正、挿入、削除など)の場所を確認するときに役に立つ。また「マーク一覧...」「現在行をマーク/マーク解除」「マーク行の下検索」はのちに紹介する「マーク行」のジャンプ効果のさいに必要なコマンドである。なお前2つのコマンドはわたしは頻用するので、別途にキー割り当てでそれぞれ「F12」「F11」をあてている。
「クリップボード系」からは「追加コピー」と「追加切り抜き」を追加したい。これは秀丸独自の便利なコマンドと言っていい。コピー&ペーストあるいはカット&ペーストするときに、ある文字列をコピーまたはカットしたあとに、そのままこのコマンドで他の部分をコピーまたはカットしてペーストすると、最初の部分と追加した部分がセットになってペーストできるというコマンドで、これは使い慣れると非常に便利である。
「削除系」で便利なのは、「カーソルより後ろを削除」「カーソルより前を削除」であるが、これには、後述するように、別のファンクションキーを割り付けてあるので、ここでは必要としない。コマンド名が長いのも都合がよくないからである。
「その他編集」ではなんと言っても「再読み込み」が重要である。別の場所、別のパソコンで同一ファイルを継続的に編集したりするような場合、開いているファイルにたいしてより新しいファイルを置き換えたときなどに、この「再読み込み」コマンドを使うと、わざわざファイルの再起動をする必要がない、という点で便利なのである。
「ウィンドウ系」では「他の秀丸エディタと内容比較」「同時スクロール」コマンドを追加する。これは同じファイル名の複数のファイルが存在する場合、その内容を比較してカラー表示するコマンドであり、複数の比較ファイルを次の差異部分へむけて同時にスクロールさせるコマンドである。編集者には必需のコマンドであると言えよう。また「タブモード」コマンドも追加しておくと、複数の秀丸ファイルをタブとして統一するか、タスクバーでそれぞれ独立して操作するかを切り替えることができる。同時操作している秀丸ファイルが多いときにはタブモードに、少ないときにはこれをオフにするのがよいだろう。
「挿入系」「検索系」「メニュー/マクロ系」「その他」には重要なコマンドはあるが、ツールバーに割り付けなければならないものはとくにない。ほかで代用できるからである。
 しかし、ここでは念のために、ここまでに触れたコマンド以外で重要と思われるもの、ひとによってはツールバーに割り付けてもいいものを以下に列挙しておこう。ここにはデフォルトのショートカットキーか、暫定的にわたしが「キー割り当て」で割り付けてあるショートカットキーも説明抜きで追加しておく。
「ファイル系」:「印刷」(Ctrl+P)
「カーソル移動系」:「ファイルの先頭」(Ctrl+↑)、「ファイルの最後」(Ctrl+↓)
「クリップボード系」:「すべてを選択」(Ctrl+A)
「削除系」:「カーソルより前を削除」(F7)、「カーソルより後ろを削除」(F8)
「挿入系」:なし
「その他編集」:「やり直しのやり直し」(Ctrl+Y)
「検索系」:「置換」(Ctrl+R)、「grepの実行」(Alt+G)
「ウィンドウ系」「メニュー/マクロ系」:なし
「その他」:「前の操作のくり返し」(F2)、「秀丸エディタヘルプ」(F1)

(*)この変換のさい、「エンコードの切り替え」のところで「内容を維持したまま適用」を選ぶほうが無難である。

 前項で述べたように、秀丸のウィンドウ設計で使い勝手を上げるためには「ツールバー」をいかに割り付けるかということが大きな問題である。まず「その他」メニューから「動作環境」を選択し、開かれる設定画面で「設定の対象」の「ウィンドウ」を選択~「ツールバー」にチェックを入れ、「詳細」ボタンをクリックする。すると、左側に「ツールバー」があり、デフォルト(*)では
 新規作成(Ctrl+N)
 開く...(Ctrl+O)
 上書き保存(Ctrl+S)
 (空白)
 やり直し(Ctrl+Z)
 コピー(Ctrl+C)
 切り抜き(Ctrl+X)
 貼り付け(Ctrl+V)
 (空白)
 検索(Ctrl+F)
 下候補(F3)
 上候補(Shift+F3→F4)
 (空白)
 現在行をマーク/マーク解除
 ウィンドウ分割上下
 秀丸エディタヘルプ
となっている。一方、右側の「コマンド」欄は各種コマンドが種類別に分けられてプルダウンメニュー化されている。これらは「ファイル系」「カーソル移動系」「クリップボード系」「削除系」「挿入系」「その他編集」「検索系」「ウィンドウ系」「メニュー/マクロ系」「その他」となっている。
 ここでなすべきことは、左側の「ツールバー」で不要なコマンドは選択して削除し、右側のコマンドのなかから必要なコマンドを選択して追加することである。「ツールバー」のなかではコマンドを選択して「一つ上に」「一つ下に」ボタンをクリックすることで上下の並べ替えは自由にできる。
 このツールバー設定の基本的な考え方は、二通りある。
 ひとつは使用頻度の高いコマンドをここに集中させ、たえずツールバーを使用することである。
 もうひとつの考え方は、あとでくわしく触れることになるが、「キー割り当て」のカスタマイズを徹底的におこない、既存のショートカットと併用しながら、キーボード操作に徹することで、マウスを使う頻度を減らし作業の効率化、高速化をはかる一方、ツールバーにはこうしたキー割り当てのしにくいもの、できないもので重要なものを割り付けるという方法である。
 わたしの場合は原則的にこの考え方にもとづきながら、前者の考え方も一部取り入れるという折衷型である。なぜなら使用頻度があまり多くないものはわざわざツールバーに割り付ける必要がないからであり、そもそもツールバーがあまり大きくなると逆に使いにくくなる面もあるからである。
 またこうした使い方はひとによって使用するコマンドの種類が使うので、最終的には自分で決定していくしかない。あくまでも参考までに、以下にわたしが現在割り付けているツールバーについて説明しておこう。なお、コマンド欄の下にある「すべてのコマンドを表示」にチェックを入れると、それぞれのコマンド系ごとにすべてのコマンドが表示される。アイコンで表示できないものも表示されるので、いちおう調べておいたほうがいいだろう。
 さて、わたしの場合はデフォルトのコマンドは「新規作成」「現在行をマーク/マーク解除」を除いてすべて削除している。これらは原則的に簡単なショートカットやマウスの右クリックで実現できるか、必要の頻度が低いのでプルダウンメニューから利用できるからである。それでもひとによっては必要と思うなら残してよいのは言うまでもない。

(*)以下のコマンドリストにはショートカットはもちろん明示されていないが、これらの多くはWindowsアプリケーションのほとんどに該当するもっとも基本的なショートカットであり、これは覚えて使い込んでいくべきものである。なお、このうちわたしはより使い勝手をよくするために「キー割り当て」で「上候補」には「F4」を割り付けている。

 それではいよいよ秀丸エディタを使いこなすための便利な動作環境設定の核心に迫っていこう。
 まずは作業をするウィンドウをどのように設計したらいいのかを検討する。秀丸はファイルにかんするさまざまな情報を提示する機能を豊富にもっており、カスタマイズ性も高く、何をどのように表示させるのかはひとによって必要度や好みのちがいもあるのでいちがいに決められないが、それでも知っておいて損のない機能がたくさんある。それを一般的に決定するのが「動作環境」メニューであり、それとは別に「ファイルタイプ別の設定」メニューを使って個別の設定をすることができる。だから設定は二段構えとも言えるので、それだけ奥が深いことになるが、ここではまず秀丸のウィンドウをどのように設計したらいいかを考えてみよう。あくまでも目的は使い勝手の良さであり、必要な情報の取得である。
 まず「その他」メニューから「動作環境」を選択し、開かれる設定画面で「設定の対象」の「ウィンドウ」を選択する。
 ここにはいくつかのチェックボタンがあるので、それらについて説明する。
 まず一番上にある「ツールバー」であるが、これはさまざまな機能を「ツールバー」として一覧にするもので、これは使用目的に応じてカスタマイズできる。このチェックを外してしまうと使い勝手が格段に落ちるので、ここはチェックを入れておく。ついでに「浮かせる」ボタンにもチェックを入れておけば、このツールバーを秀丸画面とは別の場所に独立して浮かせたままにしておくことができるので便利である。どういうツールをツールバーに割り付けるかについては次項でくわしく説明する。とにかくカスタマイズ性が高いのでうまく使いこなせば秀丸の使い勝手はおおいに上がるだろう。
 つぎに「タブモード」であるが、これは複数の秀丸ファイルを立ち上げているときに、メニューバーの下か画面の下に各ファイルをタブバーのかたちで並べてみせるもので、同時にいくつもの秀丸ファイルを操作しているときにはファイルの切替えが容易になる。これは好みにもよるが、タスクバーからファイルの選択をする方法とくらべて特別に便利なわけでもない。ファイルをたとえば5つ以上開いているようなときには便利なので使い分けをお薦めする。これにかんする「詳細」設定は表示のしかたや場所の問題なので、さほど重要なものはない。
 つぎに「縦スクロールバー」と「横スクロールバー」のチェックボタンにはチェックを入れたほうがいい。これは画面の右側と下側に上下左右のスクロールするためのバーを表示する機能で、当然これは必要だ。
「メニューバーの右側」のボタンにもチェックを入れ、「詳細」をクリックして「カーソル位置」の「行:桁」のラジオボックスにチェックを入れる。「X桁Y行」はあまり感心しない。こうするとメニューバーの右側のスペースにカーソル位置の行数と桁数が表示される。
 さらに「ウィンドウ下部」の「ファンクションキーの表示」ボタンにチェックを入れ、「詳細」ボタンをクリックして、キー数を12とすると、画面下にファンクションキーがF1~F12の順に表示される。「カタカナを半角表示」にチェックを入れておけば、スペースの無駄を省ける。ファンクションキーの割付けにかんしては、「その他」メニュー~「キー割り当て」でより有効な設定ができるので、後述する。
 つづけて「ステータスバー」ボタンにもチェックを入れ、「詳細」ボタンをクリックして表示させたい情報を選択する。ここで必要なのは、データをさまざまな文字コードを使い分けている場合には、「エンコードの種類」「改行コードの種類」にチェックを入れる。使っているコードによっては「日本語(Shift-JIS)」とか「Unicode(UTF-8)」などと表示されるし、改行コードもShift-JISなら「CR+LF」、Unicode(UTF-8)なら「LF」と表示されているはずである。さらに「全体の行数」にもチェックを入れておけば、大きなファイルの場合の全体のなかで、いまどこの部分が表示されているかがわかりやすい。あとは「挿入モード/上書モード」にチェックを入れておけば、うっかり切り替えたときの判別がしやすくなる。
 最後の「ファンクションキーとステータスバーを合体」のチェックは入れておく。ただしこの場合、表示項目が限定されてしまう。それがいやなら合体させてもいいが、下の部分に2行分のバーが並ぶのでスペースが無駄になる。

このアーカイブについて

このページには、2010年9月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2010年8月です。

次のアーカイブは2010年10月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。