ここでファイルの保存と管理の方法についての基本的な考えを書いておきたい。
まず自分の作成したファイルはきちんとフォルダ(*)に分類し、かつ階層化して保存していく習慣をつけなければならない。パソコンを使いやすくするためには、どのファイルをどこに保存するかを日常的に十分に把握していなければならない。そのためには自分にとって必要でかつわかりやすい分類がまず必要である。これは使うひとの用途によってさまざまであるから一般化しやすいものではない。
だが一般的には、ファイルは純粋に個人用のものと仕事用のものとに大きく分けられる。まずはこれらをフォルダ化していくのがいいだろう。そこに必要なファイルを保存していくのである。
たとえば、編集者であれば、仕事に使うファイルとしては著者の原稿やその修正ファイル、関連データなどがあるだろう。著者だったら原稿や研究のためのデータなどが仕事用フォルダに収録されるべきものだろう。そして当然ながら仕事にもいろいろ種類があり、編集者で言えば、編集中の書籍ごとのフォルダが必要になろうし、著者なら書きかけの原稿やデータの目的ごとにフォルダを分ける必要があるだろう。それらは当面、仕事用フォルダのなかに新たに下位フォルダを作成して別々に保存するのがいい。
個人用フォルダにも、たとえば手紙やハガキのように、分類化しやすいもので一定数が集まるような種類のファイルはひとつの下位フォルダとしてまとめておくと便利である。
こうして大きなフォルダから下位のフォルダへ、さらにそのなかにさらに下位フォルダを作っていくことを「階層化」と呼ぶ。これはつぎつぎにファイルを保存していく過程で、おのずからあるまとまりをフォルダ化する必要が出てきたら、そのためのフォルダを作ってそのつどファイルを整理していけばよい。基本的な方法としては、まず大きなフォルダのなかに下位フォルダを作成していき、それらがかなり大きなフォルダに成長し、かつその使用頻度が高いものだったら、下位フォルダ自体を独立させ、もとのフォルダと同格にすることにすればよい。
わたしの場合を例にあげれば、すべての自己作成データを「Documents」フォルダとしてまとめておいたうえで、その下位フォルダとして「diary」「editing」「eigyo」「letters」「MiraishaDocuments」「MiraishaHomePage」「MonthlyWorks」「NishitaniDocuments」「writing」などを置いて、さらにその下にさまざまな下位フォルダが階層化されている。もちろん、これらはときどき分類方針を変えることによって、上位フォルダに昇格されたり、下位フォルダに格下げされたりすることがある。
いずれにせよ、基本的なことは、最上位に必要度、使用頻度などに応じたフォルダを設定することである。一定の期間だけ上位フォルダとしておき、用がすんだら下位フォルダに戻すなどという使い方もいいだろう。ただ、ハードディスクから削除してしまうものはともかく、基本的に用がすんでも保存しておく必要のあるものが多いだろうから、そうしたファイルやフォルダが大量にたまった巨大フォルダがあっても、そうしたものまでわざわざ階層化する必要はあまりない。要するに効率の問題であり、使い勝手を良くすることに眼目があるからだ。
なお、上記のわたしのフォルダの例のように、フォルダには、できれば日本語ではなく英語またはアルファベットの名前を付けておくことをおすすめする。なにかの拍子で日本語表記が表示されない事態(**)などが生じた場合にでもアルファベットは読み取ることができるからである。これはコンピューターの特性を考えるときの古くからのいわば常識なのであるが、現代のコンピューターではそういう事態になることがすくないために認識されていないだけで、そういう不測の事態のためにもはじめから準備をしておくことをおすすめする。
(*)「フォルダ」とはファイルの集合形式を指す。Linuxや以前のMacintoshでは、これを「ディレクトリ」と呼んでいる。Windowsではエクスプローラでツリー状にフォルダの階層状態を示したときに見られるフォルダの包含関係を「フォルダ構造」と呼ぶ。
(**)日本語環境が急におかしくなったときとか、別のOS(たとえばLinux)で同じディレクトリ(フォルダ)を見ようとすると、日本語はふつうは文字化けして読めないが、欧文はすべて読み取ることができる。
まず自分の作成したファイルはきちんとフォルダ(*)に分類し、かつ階層化して保存していく習慣をつけなければならない。パソコンを使いやすくするためには、どのファイルをどこに保存するかを日常的に十分に把握していなければならない。そのためには自分にとって必要でかつわかりやすい分類がまず必要である。これは使うひとの用途によってさまざまであるから一般化しやすいものではない。
だが一般的には、ファイルは純粋に個人用のものと仕事用のものとに大きく分けられる。まずはこれらをフォルダ化していくのがいいだろう。そこに必要なファイルを保存していくのである。
たとえば、編集者であれば、仕事に使うファイルとしては著者の原稿やその修正ファイル、関連データなどがあるだろう。著者だったら原稿や研究のためのデータなどが仕事用フォルダに収録されるべきものだろう。そして当然ながら仕事にもいろいろ種類があり、編集者で言えば、編集中の書籍ごとのフォルダが必要になろうし、著者なら書きかけの原稿やデータの目的ごとにフォルダを分ける必要があるだろう。それらは当面、仕事用フォルダのなかに新たに下位フォルダを作成して別々に保存するのがいい。
個人用フォルダにも、たとえば手紙やハガキのように、分類化しやすいもので一定数が集まるような種類のファイルはひとつの下位フォルダとしてまとめておくと便利である。
こうして大きなフォルダから下位のフォルダへ、さらにそのなかにさらに下位フォルダを作っていくことを「階層化」と呼ぶ。これはつぎつぎにファイルを保存していく過程で、おのずからあるまとまりをフォルダ化する必要が出てきたら、そのためのフォルダを作ってそのつどファイルを整理していけばよい。基本的な方法としては、まず大きなフォルダのなかに下位フォルダを作成していき、それらがかなり大きなフォルダに成長し、かつその使用頻度が高いものだったら、下位フォルダ自体を独立させ、もとのフォルダと同格にすることにすればよい。
わたしの場合を例にあげれば、すべての自己作成データを「Documents」フォルダとしてまとめておいたうえで、その下位フォルダとして「diary」「editing」「eigyo」「letters」「MiraishaDocuments」「MiraishaHomePage」「MonthlyWorks」「NishitaniDocuments」「writing」などを置いて、さらにその下にさまざまな下位フォルダが階層化されている。もちろん、これらはときどき分類方針を変えることによって、上位フォルダに昇格されたり、下位フォルダに格下げされたりすることがある。
いずれにせよ、基本的なことは、最上位に必要度、使用頻度などに応じたフォルダを設定することである。一定の期間だけ上位フォルダとしておき、用がすんだら下位フォルダに戻すなどという使い方もいいだろう。ただ、ハードディスクから削除してしまうものはともかく、基本的に用がすんでも保存しておく必要のあるものが多いだろうから、そうしたファイルやフォルダが大量にたまった巨大フォルダがあっても、そうしたものまでわざわざ階層化する必要はあまりない。要するに効率の問題であり、使い勝手を良くすることに眼目があるからだ。
なお、上記のわたしのフォルダの例のように、フォルダには、できれば日本語ではなく英語またはアルファベットの名前を付けておくことをおすすめする。なにかの拍子で日本語表記が表示されない事態(**)などが生じた場合にでもアルファベットは読み取ることができるからである。これはコンピューターの特性を考えるときの古くからのいわば常識なのであるが、現代のコンピューターではそういう事態になることがすくないために認識されていないだけで、そういう不測の事態のためにもはじめから準備をしておくことをおすすめする。
(*)「フォルダ」とはファイルの集合形式を指す。Linuxや以前のMacintoshでは、これを「ディレクトリ」と呼んでいる。Windowsではエクスプローラでツリー状にフォルダの階層状態を示したときに見られるフォルダの包含関係を「フォルダ構造」と呼ぶ。
(**)日本語環境が急におかしくなったときとか、別のOS(たとえばLinux)で同じディレクトリ(フォルダ)を見ようとすると、日本語はふつうは文字化けして読めないが、欧文はすべて読み取ることができる。