Windowsの場合、通常は購入したままだとデフォルト(工場出荷設定)でシステムもふくめてデータはすべてCドライブに格納されることになっている。パソコンが起動するためのOS(オペレーティング・システム)はもちろんのこと、アプリケーションや各種ユーティリティ・ソフトなどもCドライブにインストールされている。これらとともに個人的にデータ化した文書なども、とくに指定しなければ「マイドキュメント」と呼ばれるフォルダに格納されることになっている。このフォルダは一見すると「マイコンピュータ」と同じ最上位のレベルに置かれているように見えるが、じつはCドライブの「Documents and Settings」のユーザ名フォルダの下位フォルダにある同名のフォルダのショートカットにすぎない。つまりは、Cフォルダのかなり下位に置かれたフォルダが自分の作成したオリジナル・データの格納場所なのである。
こうしたデータはいちど失なわれてしまえば、もはや回復することができない。OSや各種アプリケーション類はCD-ROMやプログラムファイルの入手から復元することは基本的にできるが、自分のオリジナル・データは前項で述べたバックアップ・ユーティリティを使ってバックアップを外部メディアに保存しておかないかぎり、二度と取り戻すことはできないのである。よくパソコンが壊れて書きかけのデータを失なってしまったと嘆いているひとがいるが、わたしに言わせれば、こうしたことは言い訳にならない。パソコンは突然壊れることもあるものであり、データはバックアップ保存を怠ってはならないというプロとしての自覚がないことをみずから吹聴しているだけなのである。
したがってわたしは、プロの書き手ないし編集者を自負するひとは最低限つぎのことは実行すべきだと思っている。
(1)まず、パソコンは最低2台以上もち、同じレベルで使えるようにしているべきである。そしてそれぞれのパソコンの使用環境、データ保存などはつねに同一にしておくことが望ましい。とにかくパソコンはいつ壊れるかもしれないものだということ、壊れないまでもどこか不具合が生じやすいもので一時的にせよ使えない状態がありうるということを理解しておくべきであり、そうした緊急のさいにもう1台のパソコンが対応できるからである。
(2)それからオリジナル・データはかならずバックアップ・ユーティリティを使って、別のメディア(できれば外付けハードディスク)につねに同期させて最新状態を保存しておくこと。こうしておけば2台以上のパソコン同士のデータの日常的な同期も簡単にできるからである。
(3)さらにここでとくに主張しておきたいのが、同じパソコンのハードディスクを2つ以上のドライブに切り分けて、オリジナル・データはCドライブとは別のドライブ(たとえばDドライブ(*))に保存するようにすることである。こうしておけば、OSがなにかのはずみで不調になり、再インストールをしなければならなくなっても、ハードディスクが物理的に壊れてしまったのでないかぎり、データドライブ上のデータはなんら損傷をこうむることなく、OS再インストール後も問題なくそのまま利用できるのである。こうしたハードディスク上の複数ドライブのことを「パーティション」と呼ぶ。
こうしたパーティションの切り分けはパソコンのインストール時点で設定する方法が本来のやりかただが、慣れないひとにはこわくてできないだろうし、はっきり言って面倒でもある。そのためにはパーティション分割ソフトが便利である。ちょっと高いが、あとのことを考えると結局は安くつく。たとえばPartitionMagic(PowerQuest社)やPartitionExpert(Acronis)というソフトを使えば、各パーティションの現在の状況(サイズやファイルシステム等)を知ることができるし、新規パーティションの作成、パーティションのサイズ変更、結合などがWindowsを起動したままの状態で簡単にできるのである。(**)
とにかくこうしておけば、自分の作成したオリジナル・データは別ドライブに保存することができるので、非常の場合にそなえる意味ではひとまずは安心できるはずである。このさい、「マイドキュメント」ではなく、自分専用のフォルダとしてたとえば「Documents」フォルダを作って、そこにデータを格納するようにしたい。そこでは必要におうじてデータを階層化して保存するようにしておけば、整理がつきやすい。自分専用の文書フォルダは自主的に管理すべきものである。
(*)パソコンによってはDVD用のドライブにすでにDドライブが割り当てられているケースがあるので、その場合にはEドライブとでもすればいい。これはドライブレターと呼ばれるドライブ名設定が必要になるからであって、AとC以外の使えるアルファベットを指定する。なお、WindowsではAドライブはフロッピードライブ、CドライブはWindows用ドライブと決まっていて変更はできない。
(**)ちなみにわたしはFedoraというLINUX用のOSもマルチブートできるように設定しているので、Fedoraのインストール時にパーティション切り分けが無償でできる。
こうしたデータはいちど失なわれてしまえば、もはや回復することができない。OSや各種アプリケーション類はCD-ROMやプログラムファイルの入手から復元することは基本的にできるが、自分のオリジナル・データは前項で述べたバックアップ・ユーティリティを使ってバックアップを外部メディアに保存しておかないかぎり、二度と取り戻すことはできないのである。よくパソコンが壊れて書きかけのデータを失なってしまったと嘆いているひとがいるが、わたしに言わせれば、こうしたことは言い訳にならない。パソコンは突然壊れることもあるものであり、データはバックアップ保存を怠ってはならないというプロとしての自覚がないことをみずから吹聴しているだけなのである。
したがってわたしは、プロの書き手ないし編集者を自負するひとは最低限つぎのことは実行すべきだと思っている。
(1)まず、パソコンは最低2台以上もち、同じレベルで使えるようにしているべきである。そしてそれぞれのパソコンの使用環境、データ保存などはつねに同一にしておくことが望ましい。とにかくパソコンはいつ壊れるかもしれないものだということ、壊れないまでもどこか不具合が生じやすいもので一時的にせよ使えない状態がありうるということを理解しておくべきであり、そうした緊急のさいにもう1台のパソコンが対応できるからである。
(2)それからオリジナル・データはかならずバックアップ・ユーティリティを使って、別のメディア(できれば外付けハードディスク)につねに同期させて最新状態を保存しておくこと。こうしておけば2台以上のパソコン同士のデータの日常的な同期も簡単にできるからである。
(3)さらにここでとくに主張しておきたいのが、同じパソコンのハードディスクを2つ以上のドライブに切り分けて、オリジナル・データはCドライブとは別のドライブ(たとえばDドライブ(*))に保存するようにすることである。こうしておけば、OSがなにかのはずみで不調になり、再インストールをしなければならなくなっても、ハードディスクが物理的に壊れてしまったのでないかぎり、データドライブ上のデータはなんら損傷をこうむることなく、OS再インストール後も問題なくそのまま利用できるのである。こうしたハードディスク上の複数ドライブのことを「パーティション」と呼ぶ。
こうしたパーティションの切り分けはパソコンのインストール時点で設定する方法が本来のやりかただが、慣れないひとにはこわくてできないだろうし、はっきり言って面倒でもある。そのためにはパーティション分割ソフトが便利である。ちょっと高いが、あとのことを考えると結局は安くつく。たとえばPartitionMagic(PowerQuest社)やPartitionExpert(Acronis)というソフトを使えば、各パーティションの現在の状況(サイズやファイルシステム等)を知ることができるし、新規パーティションの作成、パーティションのサイズ変更、結合などがWindowsを起動したままの状態で簡単にできるのである。(**)
とにかくこうしておけば、自分の作成したオリジナル・データは別ドライブに保存することができるので、非常の場合にそなえる意味ではひとまずは安心できるはずである。このさい、「マイドキュメント」ではなく、自分専用のフォルダとしてたとえば「Documents」フォルダを作って、そこにデータを格納するようにしたい。そこでは必要におうじてデータを階層化して保存するようにしておけば、整理がつきやすい。自分専用の文書フォルダは自主的に管理すべきものである。
(*)パソコンによってはDVD用のドライブにすでにDドライブが割り当てられているケースがあるので、その場合にはEドライブとでもすればいい。これはドライブレターと呼ばれるドライブ名設定が必要になるからであって、AとC以外の使えるアルファベットを指定する。なお、WindowsではAドライブはフロッピードライブ、CドライブはWindows用ドライブと決まっていて変更はできない。
(**)ちなみにわたしはFedoraというLINUX用のOSもマルチブートできるように設定しているので、Fedoraのインストール時にパーティション切り分けが無償でできる。