Windowsをさらに使いやすくするためには、Windowsがもともともっている機能を有効に活用し、さらには主要なアプリケーションの隠れた機能を十分に引き出したり可能ならカスタマイズをくわえることは言うまでもない。そういうちょっとした工夫が日常的な仕事のレヴェルでどれだけ効果的かは、これまで述べてきたところからだけでも推測してもらえるだろう。面倒がらずにそうした研究もしてみることをお奨めする。そうした小技をテーマにしたマニュアル集などもいろいろ刊行されている。この連載はそうした小技についての情報をあくまでも執筆者・編集者という種族のひとたちのために整理しているにすぎない。仕事柄、同業者たちが手際の悪い仕事ぶりをしているのをみると、よけいなお節介をしてみたくなるのがわたしの性分なのだ。
さて、わたしが執筆と編集の両方において絶対に必要と思うツールやユーティリティがいくつかある。まずいくつかのテキストエディタが必要であることはすでに述べた。
つぎに必要不可欠なのが、バックアップ・ユーティリティである。自分が作ったデータは自分で守らなければならない。OSなら再インストールできるし、各種アプリケーションやプログラム類は何度でも再インストールし直せばいい。ただ、それらで作った自分独自のデータだけは何重にもバックアップしておかなければならない。こうしたバックアップをするためには、別項で触れるように、できれば内部に別のパーティションをもち、さらには外部メディアにバックアップ・フォルダを作り、バックアップ・ユーティリティを使って同期させて保存しておく必要がある。これは手間をたいしてかけるわけではなく、そのわりには効果絶大なのである。こうしたバックアップをしていないひとの仕事を見ていると、その危険に気づいていないことにこちらが恐ろしさを感じるほどである。Windows用のバックアップ・ユーティリティとしてはさしあたりDiskMirroringToolというフリーウェアのツールをお奨めする。このソフトの使い方については別項で説明する予定である。
さらに、原稿を書いたり編集したりするうえで必携と思われるユーティリティがクリップボード・ユーティリティである。これはどういう機能をもつものかというと、コピーしたりカットしたりした文字データを繰り返し使えるようにするものである。そう言うと、なんだそれだけか、と思われるかもしれないが、これがどっこい馬鹿にならないのである。通常、クリップボードにはコピーしたりカットしたりすると最新の文字データがひとつだけ記録されている。つまり、なにか新しい文字データをコピーしたりカットするとそれ以前の文字データは消えてしまう。だからコピーまたはカットの履歴が残っていれば、それを呼び出したり、貼り付けたりすることができるのである。秀丸エディタのようにクリップボード履歴をとることのできるツールもあるが、一般にはクリップボード・ユーティリティというものを使えば、どんなツールにおいてもクリップボード履歴を使うことができるのである。そしてこれらの履歴は通常はパソコンの電源が切れるとともに消去されることなく、再起動後も履歴を覚えているようにすることができるのである。したがって、使用頻度の高いものは、前項の「ATOKに単語登録をし、ユーザ辞書をテキスト保存する」で触れたように単語登録をすることも有効であるが、各種記号類のように言語化しにくいものや一定の期間しか使わないものなどは、このクリップボード・ユーティリティに登録しておくほうがいい。なぜなら、この常駐データは、ユーティリティによっては、画面にドラッグしたり、クリックするだけでカーソル位置に簡単に貼り付けることができるから、場合によっては単語登録から呼び出すよりも便利なこともあるからである。Windows用のクリップボード・ユーティリティとしてはToClip for WindowsおよびQTClipをお奨めする。これらもやはりフリーウェアのソフトであり、使い方については別項で説明する予定である。
それからテキストファイルを印刷するための印刷ユーティリティとしてWinLPrtというツールは重要である。これは一種の鋳型のような書式をいくらでも準備しておいてテキストデータをそこに流し込めば、簡単に印刷できるようにできるソフトである。秀丸エディタのプラグイン・ソフトに秀丸パブリッシャーというユーティリティもあって、秀丸の印刷機能を補完することができる。またQXエディタのように印刷書式をいくつも用意してデータを印刷できるようにしているツールもある。しかしWinLPrtはそういうツールに依存しないでテキストファイルなら自由に印刷できるというのが最大の利点である。このツールについても別項で説明する予定である。
もうひとつ、これはユーティリティといったレヴェルではないが、Microsoft Officeを代替できる無償のアプリケーションで、OpenOffice.orgというLINUXベースのアプリケーションもある。これをインストールし、たえずヴァージョンアップしておけば、Microsoft Officeのデータをすべて読み込むことができ、書き換えることもできる。つまりOfficeをオープンにするすぐれたソフト・パッケージなのである。これさえあれば、Microsoft Officeなどわざわざ買う必要はないのである。
最後に、プログラムやファイルまたはフォルダの圧縮と解凍をためのユーティリティというものが必要である。プログラムのダウンロードやメール転送したり受け取ったりするときにデータの圧縮や解凍が必要になるが、そのデータを圧縮したり解答するためにはそうしたユーティリティが必要である。これはやはりフリーウェアのものが多いが、なかでもLhacaというユーティリティが使い勝手がよい。このツールのショートカットをデスクトップにおいておけば、圧縮ファイルをドラッグ&ドロップして解凍したり、ファイルやフォルダをドラッグ&ドロップして圧縮することが簡単にできるのである。これについても別項で説明しよう。
ほかにも有効なユーティリティ類はいくらでもあろうが、当面、執筆と編集のために必要と思えるものはおよそ以上のもので十分であろう。
(2009/9/23)
さて、わたしが執筆と編集の両方において絶対に必要と思うツールやユーティリティがいくつかある。まずいくつかのテキストエディタが必要であることはすでに述べた。
つぎに必要不可欠なのが、バックアップ・ユーティリティである。自分が作ったデータは自分で守らなければならない。OSなら再インストールできるし、各種アプリケーションやプログラム類は何度でも再インストールし直せばいい。ただ、それらで作った自分独自のデータだけは何重にもバックアップしておかなければならない。こうしたバックアップをするためには、別項で触れるように、できれば内部に別のパーティションをもち、さらには外部メディアにバックアップ・フォルダを作り、バックアップ・ユーティリティを使って同期させて保存しておく必要がある。これは手間をたいしてかけるわけではなく、そのわりには効果絶大なのである。こうしたバックアップをしていないひとの仕事を見ていると、その危険に気づいていないことにこちらが恐ろしさを感じるほどである。Windows用のバックアップ・ユーティリティとしてはさしあたりDiskMirroringToolというフリーウェアのツールをお奨めする。このソフトの使い方については別項で説明する予定である。
さらに、原稿を書いたり編集したりするうえで必携と思われるユーティリティがクリップボード・ユーティリティである。これはどういう機能をもつものかというと、コピーしたりカットしたりした文字データを繰り返し使えるようにするものである。そう言うと、なんだそれだけか、と思われるかもしれないが、これがどっこい馬鹿にならないのである。通常、クリップボードにはコピーしたりカットしたりすると最新の文字データがひとつだけ記録されている。つまり、なにか新しい文字データをコピーしたりカットするとそれ以前の文字データは消えてしまう。だからコピーまたはカットの履歴が残っていれば、それを呼び出したり、貼り付けたりすることができるのである。秀丸エディタのようにクリップボード履歴をとることのできるツールもあるが、一般にはクリップボード・ユーティリティというものを使えば、どんなツールにおいてもクリップボード履歴を使うことができるのである。そしてこれらの履歴は通常はパソコンの電源が切れるとともに消去されることなく、再起動後も履歴を覚えているようにすることができるのである。したがって、使用頻度の高いものは、前項の「ATOKに単語登録をし、ユーザ辞書をテキスト保存する」で触れたように単語登録をすることも有効であるが、各種記号類のように言語化しにくいものや一定の期間しか使わないものなどは、このクリップボード・ユーティリティに登録しておくほうがいい。なぜなら、この常駐データは、ユーティリティによっては、画面にドラッグしたり、クリックするだけでカーソル位置に簡単に貼り付けることができるから、場合によっては単語登録から呼び出すよりも便利なこともあるからである。Windows用のクリップボード・ユーティリティとしてはToClip for WindowsおよびQTClipをお奨めする。これらもやはりフリーウェアのソフトであり、使い方については別項で説明する予定である。
それからテキストファイルを印刷するための印刷ユーティリティとしてWinLPrtというツールは重要である。これは一種の鋳型のような書式をいくらでも準備しておいてテキストデータをそこに流し込めば、簡単に印刷できるようにできるソフトである。秀丸エディタのプラグイン・ソフトに秀丸パブリッシャーというユーティリティもあって、秀丸の印刷機能を補完することができる。またQXエディタのように印刷書式をいくつも用意してデータを印刷できるようにしているツールもある。しかしWinLPrtはそういうツールに依存しないでテキストファイルなら自由に印刷できるというのが最大の利点である。このツールについても別項で説明する予定である。
もうひとつ、これはユーティリティといったレヴェルではないが、Microsoft Officeを代替できる無償のアプリケーションで、OpenOffice.orgというLINUXベースのアプリケーションもある。これをインストールし、たえずヴァージョンアップしておけば、Microsoft Officeのデータをすべて読み込むことができ、書き換えることもできる。つまりOfficeをオープンにするすぐれたソフト・パッケージなのである。これさえあれば、Microsoft Officeなどわざわざ買う必要はないのである。
最後に、プログラムやファイルまたはフォルダの圧縮と解凍をためのユーティリティというものが必要である。プログラムのダウンロードやメール転送したり受け取ったりするときにデータの圧縮や解凍が必要になるが、そのデータを圧縮したり解答するためにはそうしたユーティリティが必要である。これはやはりフリーウェアのものが多いが、なかでもLhacaというユーティリティが使い勝手がよい。このツールのショートカットをデスクトップにおいておけば、圧縮ファイルをドラッグ&ドロップして解凍したり、ファイルやフォルダをドラッグ&ドロップして圧縮することが簡単にできるのである。これについても別項で説明しよう。
ほかにも有効なユーティリティ類はいくらでもあろうが、当面、執筆と編集のために必要と思えるものはおよそ以上のもので十分であろう。
(2009/9/23)