パソコンで何かを設定したり新規にプログラムをインストールしたりするとき、たとえば「はい」か「いいえ」で次々に確認を求められたりすることがよくある。通常は標準的な選択肢のほうが太枠で囲まれていて、多くの場合はその通りに選択していけばいいようになっている。こうしたときに役に立つのがマウスコントロールパネルの設定である。
「コントロールパネル」から「マウス」を選択すると、マウスのポインタの形状や速度の設定などの変更をすることができる。そのなかでぜひとも実行できるようにしておきたいのが、「ポインタオプション」タブの「動作」で「ポインタを自動的に既定のボタンの上に移動する」のチェックボックスをオンにしておくことである。こうしておけば、ほとんどの場合、確認場面ではEnterキーを押しつづけるだけで処理がスムーズにおこなえるようになる。わざわざマウスを動かして既定ボタンまでポインタを動かしてクリックしなくてすむようになるのである。
もうひとつお奨めの機能として挙げておきたいのが、同じ「ポインタオプション」タブの「表示」で「Ctrlキーを押すとポインタの位置を表示する」のチェックボックスにもチェックを入れておくことである。こうしておくと、ごちゃごちゃしたモニタのなかでポインタがどこにあるかがわかりにくくなったときにCtrlキーを押すと、ポインタのある場所を中心に一瞬、円が描かれてその場所を教えてくれる。これは意外に便利な機能なのでお奨めしておきたい。また、これはデフォルト設定であるが、同じ「表示」のなかで「文字の入力中にポインタを非表示にする」にもチェックを入れておけば、ポインタが入力文字を遮って邪魔になることはない。
たかがマウス設定ごときと侮ることなかれ。こうした細かい設定を早めにすませておけば、使用頻度の多いツールだけに多くの場面で処理がスピーディに的確にできるようになるのである。
(2009/8/30)
Windowsのメニューのひとつに「フォルダオプション」がある。これは一般にそれほど活用されていない(かもしれない)機能だが、使い方次第では非常に役に立つもので、わたしは重宝している。OSの再インストールなどのさいには、早めにこの機能設定をしておくと、なにかと効率がよい。
Windowsのヘルプの説明によると、フォルダの機能とフォルダの内容を表示する方法を指定することができる。とりあえずフォルダオプションを開いてみよう。その方法はふたつある。そのひとつはコントロールパネルから「フォルダオプション」を選択する方法である。もっとシンプルなのは、なにかフォルダを開いている状態で「ツール」メニューから「フォルダオプション」を選択する方法である。
いずれにせよ、「フォルダオプション」ウィンドウが開かれるが、ここではいくつかの有用な表示方法の指定のみを指摘しておきたい。
まず「全般」タブをクリックして、「クリック方法」で「ポイントして選択し、シングルクリックで開く」を選択する。こうしておくと、ダブルクリックをせずにシングルクリックでフォルダやファイルを開けるようになる。ただしこれは慣れないと、選択するときについクリックしてしまいファイルが開かれてしまうので、従来の方法に慣れすぎたひとには向かないかもしれないが、これに慣れてしまうとかなりの省エネになる。
つぎに「表示」タブで「詳細設定」を変更する。初期設定のうちまず変更したいのは、「システムフォルダの内容を表示する」と「ファイルとフォルダの表示」での「すべてのファイルとフォルダの表示」にチェックを入れることである。この場合、「保護されたオペレーションシステムファイルを表示しない(推奨)」のチェックをはずす。警告がなされるが、無視して「はい」で確定してよい。こうしておくとWindowsのシステムがどのような構成になっているかを知ることができる。ただし、これらのファイルをうっかり削除したり移動したりするとWindowsが起動しなくなったり異常を起こす可能性があるので、不慣れなひとはこのオプションは触らないほうが賢明かもしれない。
さらには「タイトルバーにファイルのパス名を表示する」にもチェックを入れておこう。こうすると、たとえばバックアップ用のフォルダに同じ内容のものがある場合など、本来のファイルでなくうっかりバックアップ用ファイルを起動したときにもどのファイルを操作しているかがわかる。
あとは「マイコンピュータにコントロールパネルを表示する」にチェックを入れておくことである。こうしておくと、エクスプローラ上からもコントロールパネルの各種の機能を呼び出すことができるようになる。
最後に「登録された拡張子は表示しない」のチェックボックスをオフにすることである。こうするとすべてのファイルに拡張子が表示される。
こうしておいて「フォルダの表示」で「すべてのフォルダに適用」をクリックすると、次回からこれらの設定がすべて反映されるようになる。
(2009/8/23)
この7月に『出版のためのテキスト実践技法/総集篇』を刊行した。これは2001年4月に刊行した『出版のためのテキスト実践技法/執筆篇』と2002年1月に刊行した『同/編集篇』をベースに、そこで展開してきたさまざまな[出版のためのテキスト実践技法]をより一般的なツールであるテキストエディタを中心に論じ直し、さらなる論点の追加をおこなったものである。『総集篇』はもともと未來社ホームページで「[出版のためのテキスト実践技法]テキストエディタ篇」として公開してきたものに手を加えて成ったものである。はじめは「テキストエディタ篇」として刊行する予定であったからである。なお、この間の2005年9月には翔泳社から『執筆者・編集者のための秀丸エディタ超活用術』という秀丸エディタのためのマニュアル本も刊行した。
こうした一連の本はいずれも出版にかかわるテキストの問題に特化したものであり、その読者として想定されているのは作家、学者、研究者といった原稿執筆者(およびその卵たち)と、そうしたひとたちの本の出版にかかわる編集者、そしてDTPオペレーター、印刷関連業者などであった。同じように原稿にかかわる場合でも、それが出版に結びつかない場合には、参考にしていただくだけでよいという建前でこれらの本は刊行されている。学内や業界内の連絡文書や紀要などのための中間的な発表原稿なら、テキストエディタより高度な印刷機能をもっているワープロで書いても別にかまわないが、こと出版にかんする原稿の場合には、最終的に印刷所入稿用にはテキストファイルで処理されたデータしか必要かつ十分ではないという理由でテキスト化される必要があり、それならば最初から高度なデータ処理ができるテキストエディタを使って原稿を書き、あるいは原稿を編集処理してしまったほうが得策であるということをわたしは主張しているのである。
この「著者・編集者のためのパソコンTIPS集」でやろうとしていることは、本来は『出版のためのテキスト実践技法/総集篇』に一口コラムのようなかたちで、著者や編集者のために役立つパソコン関連の知識やちょっとしたテクニックのことを書きたいと思っていたが諸事情で果たせなかったものを、まとめて書きとめておこうとするものである。したがってこれは『出版のためのテキスト実践技法/総集篇』の拡大版であるとともに、それぞれの仕事がより楽しく快適にできるようになるためのヒント集でもある。参照して実践していただければ、わたしとしてはうれしいかぎりである。
以下にこれから書いていこうとするものの予定を書きとめておこう。もちろん、書いていくなかでいろいろ追加や変更もあるだろうから、これはあくまでも暫定的な目安である。
[インストール~導入篇]
・「窓の手」を導入して「エクスプローラ」を標準設定にする
・「フォルダオプション」のカスタマイズいろいろ
・「コントロールパネル」でマウスの便利設定
・「スタートメニュー」のカスタマイズ
・早めにテキストエディタをインストールしておこう
・ATOKの単語登録を急ごう
・インストールしておきたいユーティリティ類
・できればドライブのパーティション分割をおこなう
[パソコン初期設定のいろいろ]
・「送るSendTo」メニューを活用する
・「スタートメニュー」はすべての引出し
・「スタートアップメニュー」で最小限の起動をしておく
・デスクトップに置いておくべきもの
[必要なユーティリティ・ソフト]
・バックアップ・ソフトは必須:DiskMirroringTool
・クリップボード・ユーティリティの便利さ:ToClip, QTClip
・オフィスはもういらない:OpenOffice
・テキストファイルの印刷ならWinLPrt
[テキストエディタのフル活用](秀丸を中心に)
・秀丸のカスタマイズは無限
・ファイルの種類によってはQXエディタ
・SEDを使うならLightWayText
・動作環境設定
・ファイルタイプの設定
・キーカスタマイズの設定
(2009/8/15)