先日、大阪屋の古市さんが取締役に就任されたのを期に、少人数でのお祝いの会を開いた。アマゾンとの取引を長年にわたって担当してきた経験からふだんでは聞けないような話を公私にわたっていろいろ聞くことができた。そのさいに、最近、アマゾンでの未來社の売行き良好書の勢いが急速に落ちてきていることを具体例を挙げて問いただしたところ、たしかにいくつかの問題があることが判明した。日をあらためて個別に話し合いをもとうということになり、今週はじめに実現した。
アマゾンとの取引においては日販が好条件を出しているらしいことから情勢が不透明であるが、一方では、日販も相当な無理をしているはずで、たとえば専門書版元との取引などは必ずしも手厚いとはいえない。すくなくとも未來社にかんしては、アマゾンの担当者との合意があるにもかかわらず日販の窓口は積極的な取組みをしているとは思えない。新刊の初期入荷以後は、アマゾン側から日販の倉庫に補充をかけるが、在庫がなければ大阪屋の倉庫にあたりをかけるという仕組みになっているらしい。そういう序列ができているのはかなり以前からであるが、大阪屋のほうでもことしのはじめあたりから過剰在庫をできるだけ捌く方向で出版社からの補充を押さえたこともあって、専門書センター(未來社では大阪屋TBC)からの注文が激減した。その結果、かなり問題を解消したが、まだまだとのこと。売行き良好書の補充も従来にくらべて冊数をかなり減らして注文している。これではせっかく大阪屋の倉庫に補充のあたりをかけても在庫数が少ないためにアマゾンへの補充も供給不足気味になり、かなりの売り逃しをしているのではないか、とわたしが指摘して、それならということで対策を考えることになった。
わたしはもともと、大阪屋には専門書取次としていまはなき鈴木書店のできなかったことをふくめて積極的に取り組んでもらいたいと思ってきた。そうは言ってもそんなに売れない専門書だから大きなことは言えないが、大阪屋にとっても不都合の少ない方法を考えることは可能である。話し合いによって解決すべき手だてはあるはずで、こんなことならもっと早く話し合いをしておけばよかったかとあとになって思ったぐらいである。
大阪屋の考えでは、現在、一般の売行き良好書の注文を対象としたiBCと専門書の店売補充用のKBC(東京ではTBC)という二つの倉庫をもっている。この二つの倉庫を有効に稼働させることによって商品の回転と充足率を上げることが経営効率的にも具合がいい。できるだけこれらの倉庫を通過させることで商品の流れもよくなり、情報収集もしやすいということだろう。そのための方法としては両方の倉庫にできるだけ多くのアイテムの在庫を常備というかたちでもつことが提案された。これをベースに動きの早いものは追加補充のかたちで売り逃しを防ぐばかりでなく、商品補充のスピードアップによって売上げの向上もめざすことができる。そのために若干の条件変更の問題はあるが、結果を一年後に確認することで暫定的に実験してみようということになった。
大阪屋でもこうした方向で専門書出版社がこれまでより以上に深くかかわってもらうことを望んでおり、未來社との話し合いは有益なものとなったとのことで、未來社としても大阪屋のこれからの動きがちょっと楽しみになろうとしているところである。(2012/8/2)
アマゾンとの取引においては日販が好条件を出しているらしいことから情勢が不透明であるが、一方では、日販も相当な無理をしているはずで、たとえば専門書版元との取引などは必ずしも手厚いとはいえない。すくなくとも未來社にかんしては、アマゾンの担当者との合意があるにもかかわらず日販の窓口は積極的な取組みをしているとは思えない。新刊の初期入荷以後は、アマゾン側から日販の倉庫に補充をかけるが、在庫がなければ大阪屋の倉庫にあたりをかけるという仕組みになっているらしい。そういう序列ができているのはかなり以前からであるが、大阪屋のほうでもことしのはじめあたりから過剰在庫をできるだけ捌く方向で出版社からの補充を押さえたこともあって、専門書センター(未來社では大阪屋TBC)からの注文が激減した。その結果、かなり問題を解消したが、まだまだとのこと。売行き良好書の補充も従来にくらべて冊数をかなり減らして注文している。これではせっかく大阪屋の倉庫に補充のあたりをかけても在庫数が少ないためにアマゾンへの補充も供給不足気味になり、かなりの売り逃しをしているのではないか、とわたしが指摘して、それならということで対策を考えることになった。
わたしはもともと、大阪屋には専門書取次としていまはなき鈴木書店のできなかったことをふくめて積極的に取り組んでもらいたいと思ってきた。そうは言ってもそんなに売れない専門書だから大きなことは言えないが、大阪屋にとっても不都合の少ない方法を考えることは可能である。話し合いによって解決すべき手だてはあるはずで、こんなことならもっと早く話し合いをしておけばよかったかとあとになって思ったぐらいである。
大阪屋の考えでは、現在、一般の売行き良好書の注文を対象としたiBCと専門書の店売補充用のKBC(東京ではTBC)という二つの倉庫をもっている。この二つの倉庫を有効に稼働させることによって商品の回転と充足率を上げることが経営効率的にも具合がいい。できるだけこれらの倉庫を通過させることで商品の流れもよくなり、情報収集もしやすいということだろう。そのための方法としては両方の倉庫にできるだけ多くのアイテムの在庫を常備というかたちでもつことが提案された。これをベースに動きの早いものは追加補充のかたちで売り逃しを防ぐばかりでなく、商品補充のスピードアップによって売上げの向上もめざすことができる。そのために若干の条件変更の問題はあるが、結果を一年後に確認することで暫定的に実験してみようということになった。
大阪屋でもこうした方向で専門書出版社がこれまでより以上に深くかかわってもらうことを望んでおり、未來社との話し合いは有益なものとなったとのことで、未來社としても大阪屋のこれからの動きがちょっと楽しみになろうとしているところである。(2012/8/2)