本日(2012年2月14日)、いよいよトーハンの「Digital e-hon」ホームページ(http://www.de-hon.ne.jp/digital/)がリオープンされることになった。昨年四月、トーハンが呼びかけた「Tohan initiative for e-BOOK (Tie)」の電子書籍配信事業をめざして昨年後半からさまざまな配信会社を取り次ぐべくデジタル事業部を中心にネットワーク作りに邁進してきたトーハンだが、配信会社とのやりとりがもたつくなかで、トーハンが従来から紙の本で実働化してきた「e-hon」のデジタル版としてこの「Digital e-hon」ホームページが先行して立ち上がったわけだ。
今回、このホームページ立ち上げにあたっては、デジタル事業部との連繋によりトップページに「未來社特集ページ」のバナーを設定してもらい、学術専門書版元としての栄えあるトップバッターに起用してもらったわけである。このページ開設にあたってわたしが依頼されて書いたガイド文が掲載されているので、それを以下に引いておこう。
《トーハンのデジタルe-hon事業開始にあわせて未來社としては初めての試みである電子書籍配信を始めました。小社は以前より書籍のテキストデータ保存に努めてきましたので、今日の電子書籍化をめぐる動きには原則的に対応できます。従来の一般書・小説・コミックを中心とした電子書籍配信の動きにたいして、人文・社会科学系専門書・学術書を中心にする出版社はいまのところあまり積極的ではない気がしますが、これまでとは異なる専門書の受け取られ方があるはずです。小社の試みは今後の書籍販売のあり方へ向けてひとつの実験のつもりです。》
正確に言うと、未來社としてはすでに大学図書館向けの紀伊國屋NetLibraryへの出品があり、まったく初めての試みというわけではないが、広く一般読者にオープンにされたWebサイトへの配信は初めてと言える。ただ、ここでアップされたデータは基本的には紀伊國屋NetLibraryで使用したPDFファイルを流用したものであって、巷間よく言われるような動画的なファイルではない。そういうものを期待した読者にはがっかりされるかもしれないが、そもそも小社のような学術書、専門書のような出版物の読者にとってはそういうデータは必要ではあるまいと判断しているからである。紙の本と同じような感覚で本を読んでもらいたいということから、最初の数ページ分を「立ち読み」できるようにもしてある。また、価格も紙の本とまったく同一である。電子書籍だから紙の本より安くできるという説もあるが、わたしは同意しない。電子書籍とはあくまでも紙の本があってのものであって、電子書籍はその別形態にすぎないから、価格がちがうのはおかしいという考えである。
ともかく、「Digital e-hon」ホームページ立ち上げにあたってこの試みがどういう方向へ発展していくのか、いかないのかを見きわめていきたいと思う。(2012/2/14)
今回、このホームページ立ち上げにあたっては、デジタル事業部との連繋によりトップページに「未來社特集ページ」のバナーを設定してもらい、学術専門書版元としての栄えあるトップバッターに起用してもらったわけである。このページ開設にあたってわたしが依頼されて書いたガイド文が掲載されているので、それを以下に引いておこう。
《トーハンのデジタルe-hon事業開始にあわせて未來社としては初めての試みである電子書籍配信を始めました。小社は以前より書籍のテキストデータ保存に努めてきましたので、今日の電子書籍化をめぐる動きには原則的に対応できます。従来の一般書・小説・コミックを中心とした電子書籍配信の動きにたいして、人文・社会科学系専門書・学術書を中心にする出版社はいまのところあまり積極的ではない気がしますが、これまでとは異なる専門書の受け取られ方があるはずです。小社の試みは今後の書籍販売のあり方へ向けてひとつの実験のつもりです。》
正確に言うと、未來社としてはすでに大学図書館向けの紀伊國屋NetLibraryへの出品があり、まったく初めての試みというわけではないが、広く一般読者にオープンにされたWebサイトへの配信は初めてと言える。ただ、ここでアップされたデータは基本的には紀伊國屋NetLibraryで使用したPDFファイルを流用したものであって、巷間よく言われるような動画的なファイルではない。そういうものを期待した読者にはがっかりされるかもしれないが、そもそも小社のような学術書、専門書のような出版物の読者にとってはそういうデータは必要ではあるまいと判断しているからである。紙の本と同じような感覚で本を読んでもらいたいということから、最初の数ページ分を「立ち読み」できるようにもしてある。また、価格も紙の本とまったく同一である。電子書籍だから紙の本より安くできるという説もあるが、わたしは同意しない。電子書籍とはあくまでも紙の本があってのものであって、電子書籍はその別形態にすぎないから、価格がちがうのはおかしいという考えである。
ともかく、「Digital e-hon」ホームページ立ち上げにあたってこの試みがどういう方向へ発展していくのか、いかないのかを見きわめていきたいと思う。(2012/2/14)