12 出版の活力になる話題をもとめて

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 この「出版文化再生」ブログをしばらく中断してしまった。ここに書くべき話題がなかったわけではなく、むしろ問題にすべき話題は多かったかもしれないのだが、いくつか依頼された原稿が集中したために書く余裕がなかったにすぎない。
 そのひとつは『出版文化再生――あらためて本の力を考える』について「読売新聞」の昨年十二月二十日号に文化部の待田晋哉記者による《「未來社」創立60年の充実》という記事が掲載され、そのなかで『宮本常一著作集』のショートラン重版などが触れられたことに関心をもたれた「中国新聞」の佐田尾信作さんから「出版業の再生 活字の未来」というテーマで原稿を頼まれ、「出版は活字の力を通じて未来をつくっていく」という原稿を書いたことである。これはまだ未発表だが、いずれ掲載が可能になったらこのブログにも転載したいと考えている。
 もうひとつは、昨年十二月二日に五九歳で亡くなった東京大学の北川東子教授の追悼エッセイを、UTCP(The University of Tokyo Center for Philosophy=東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター」の拠点リーダー小林康夫さんに依頼されて書いた「北川東子さんと『女の哲学』」である。この二月二十八日には東大駒場でUTCP主催の北川東子さん追悼集会が開催される予定であり、そこでのスピーカーも依頼されており、北川東子さんとの出版をつうじてのおつきあいについて話をさせてもらうことになっている。このエッセイはそれとおそらく重複することもあるだろうが、どういう形かわからないが活字化を考えられているようである。北川東子さんとはわたしがかかわった東大駒場の若手教官の勉強会「扉の会」でのつきあい以来、二四年にわたるおつきあいをさせてもらい、これからいよいよ本格的な哲学を展開してもらうつもりであっただけに痛恨の極みと言わざるをえない。その思いの一端を書いたもので、これも掲載が可能になったらこのブログに転載したいと考えている。
 そんななかで出版界の話題としては暗いものが多く、出版文化の再生をめざすこのブログの主旨からはあまり生産的とは思われない内容はあえてとりあげる必要はないので、これからあらためて出版の活力につながる話題にしぼって再開しようと思っている。(2012/2/8)

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未来の窓 1997-2011

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