翻訳書や研究書などには外国語表記のあるものが多い。英語以外のものはコンピュータの世界ではローカル言語とされるので、それらの言語の特殊文字は通常は互換性がない。ワープロなどでは環境設定をすればなんとか表記できるものもあるが、そうしたデータをテキストファイル化するととたんに消えてしまう。この場合、すべて消えてしまうわけでもないことが多く、それに近い文字に置き換えられるのがふつうだ。フランス語のアクサン(アクセント記号)やドイツ語のウムラウトはふつうのアルファベットにアクセント記号が付されているのが外れてしまうだけである。
ともあれ、頻度の高い特殊文字だけでもテキスト化して、印刷所で変換してもらうようにするしかない。これらの表記はワープロ上で検索して置換するのが手っ取り早い。
わたしが一般的に使用している特殊文字のテキスト指定は以下のようなものである。これ以外のものは必要に応じて設定する。
(フランス語)
アクサンテギュー(文字の上部に右上から左下にかけて斜めの線が入るもの)→e+'/a+'/o+'/y+'/E+'など(l'、s'などの子音との組合せのときは通常のアポストロフィとして使用)
アクサングラーヴ(文字の上部に左上から右下にかけて斜めの線が入るもの)→a`/e`
アクサンシルコンフレックス(文字の上部に「^」があるもの)→a^/i^/u^/e^/o^
cセディーユ(Cまたはcの下部にヒゲが付く)→C&/c&
リガチャー(合字)→o+e/a+e/O+E/A+E
ギュメ(小さい引用符)→【<<】......【>>】で指定。
(ドイツ語)
ウムラウト(文字の上部にトレマが付く)→a``/i``/u``/e``/o``/A``/O``など
エスツェット(大文字のBを崩したもの)→B&
ドイツ語特有の引用符(始まりが下付右よりの「"」、終りが上付き左よりの「"」)→【"】......【"】で指定。
(その他)
ギリシャ語、ラテン語長音文字→e ̄/i ̄など
上付き文字:<SUP>......</SUP>ではさむ。
下付き文字:<SUB>......</SUB>ではさむ。
半角ダブルクウォート「"」および半角シングルクウォート「'」→開き用に「"」と「'」に、閉じ用に「/"」と「/'」で指定。なお、ここでこれらはすべて半角なので、欧文と同じように開きの「"」および「'」の前には半角スペースを、閉じの「"」および「'」の後ろにも半角スペースを入れる必要がある。ただし前後に全角の句読点、カッコ類がある場合はこの限りでない。必要なアキはすでにこれらの文字に含まれているからである。